2025年12月の日銀追加利上げで、住宅ローン金利は「変動0.9〜1.1%」「固定2.6〜3.1%」と変動と固定の金利差が約1.63%と過去最大に拡大しました。フラット35は2.71%、政策金利は0.75%。「もう変動はやばい?」「今こそ固定?」と悩む人が急増しています。
本記事ではFPねこが2026年5月時点の最新金利動向に基づき、変動と固定どちらを選ぶべきか、属性別・借入条件別の判断軸を整理します。
【2026年5月時点】最新金利動向
| 金利タイプ | 主要銀行の最優遇金利 | 前月比 |
|---|---|---|
| 変動金利(メガバンク・ネット銀行) | 0.9〜1.1% | +0.20〜0.35%(4月以降に引き上げ) |
| 10年固定金利 | 2.6〜3.1% | +0.10〜0.30% |
| フラット35(21〜35年) | 2.71% | +0.22% |
| 変動と固定の金利差 | 1.63% | 過去最大水準 |
| 政策金利 | 0.75% | 2025年12月利上げ後据え置き |
2026年の日銀動向
2026年4月28・29日の金融政策決定会合では、政策金利0.75%が据え置きとなりました(3会合連続)。ただし、9名の政策委員のうち3名が「1.0%への利上げ」修正案を提示するなど、内部で大きく意見が割れています。市場では「2026年中にもう1回、もしくは2027年初頭に0.25%の利上げ」が織り込まれている状況。
変動金利と固定金利の基本構造
変動金利
- 金利見直し:半年ごと(多くの銀行)
- 返済額見直し:5年ごと(多くの銀行)
- 5年ルール:金利が上がっても5年間は月返済額据え置き
- 125%ルール:金利上昇後の返済額上限は前回の125%まで
- 未払い利息の発生リスクあり(金利急上昇時)
10年固定・全期間固定(フラット35)
- 10年固定:当初10年は金利固定、その後は変動 or 別途固定選択
- 全期間固定(フラット35):返済完了まで金利固定
- 金利は契約時から変わらない安心感
- 初期金利は変動より1.6〜2%程度高い
月返済額シミュレーション(借入3,000万円・35年返済)
| 金利タイプ | 金利 | 月返済額 | 総返済額(35年) |
|---|---|---|---|
| 変動(最優遇) | 0.9% | 83,415円 | 3,503万円 |
| 変動(一般) | 1.1% | 86,213円 | 3,621万円 |
| 10年固定 | 2.6% | 108,856円 | 4,572万円 |
| 10年固定 | 3.1% | 117,022円 | 4,915万円 |
| フラット35(全期間固定) | 2.71% | 110,693円 | 4,649万円 |
変動0.9% vs フラット35 2.71%:月の差27,278円、35年で差額約1,146万円。これだけ見ると「変動の勝ち」ですが、変動が将来上がるリスクを考慮する必要があります。
「変動が上がったら」のストレステスト
変動金利が将来どう推移するかは誰にも分かりません。シナリオ別に試算します(借入3,000万円・35年・10年目に金利上昇)。
シナリオA:変動0.9%のまま35年(楽観)
総返済額:3,503万円
シナリオB:10年目に1.9%(+1%上昇、5年ルール後反映)
総返済額:3,861万円(フラット35比でも変動が約788万円安い)
シナリオC:10年目に2.9%(+2%上昇)
総返済額:4,259万円(フラット35比で変動が約390万円安い)
シナリオD:10年目に3.9%(+3%上昇)
総返済額:4,690万円(フラット35比で変動が約41万円高い)
FPねこの判断軸:5タイプ別最適解
タイプ①:若年・高収入・繰上返済余力あり → 変動
- 年収600万円超、共働き、貯蓄1,000万円以上
- 金利が上がっても繰上返済で吸収可能
- 変動の低金利メリットを最大化
- 5年ルール・125%ルールがあるので急上昇でも対応可
タイプ②:固定収入・繰上返済余力低 → 固定
- 年収400万円以下、片働き、貯蓄500万円未満
- 家計が金利変動に耐えにくい
- 月返済額が確定する安心感が大きい
- 金利上昇リスクを取らない選択
タイプ③:35歳前半・長期返済 → ミックス or 固定
- 残り35年返済 → 金利上昇リスクに35年間さらされる
- 変動50%+固定50%のミックスローンも検討(複数銀行 or 一部商品)
- または、フラット35で安全に
タイプ④:45歳以降・残り20年程度 → 変動有利
- 定年退職時点での残債を一括返済する余力があれば変動
- 退職金で繰上返済前提なら金利変動の影響を限定的に
タイプ⑤:自営業・収入変動大 → 固定
- 収入が不安定 → 月返済額が一定の方が家計設計しやすい
- フラット35は審査が会社員より緩い場合あり
借換タイミングの判断
すでに住宅ローンを組んでいる場合、借換のメリットがあるかチェック。
| 現在のローン | 2026年5月時点での借換判断 |
|---|---|
| 変動0.4〜0.6%で借入中 | 借換不要。現状維持がベスト。 |
| 固定2%超で借入中(10年以上前契約) | 借換検討推奨。フラット35(2.71%)や変動への借換でメリットあり |
| 固定1.5%程度で借入中(5年程度前) | 借換するならフラット35現行金利と精査。要シミュレーション |
| 10年固定終了後に変動2%超で継続 | 借換検討。現行変動0.9〜1.1%が魅力的 |
団体信用生命保険(団信)の選び方
住宅ローンとセットで加入する団信。2026年現在の主流オプションを整理。
| 団信タイプ | 保障内容 | 金利上乗せ |
|---|---|---|
| 一般団信 | 死亡・高度障害でローン完済 | 0%(無料) |
| がん100%団信 | がん診断確定で完済 | +0.1〜0.2% |
| 3大疾病団信 | がん・急性心筋梗塞・脳卒中で完済 | +0.2〜0.3% |
| 8大疾病団信 | 3大疾病+高血圧・糖尿病等で完済 | +0.2〜0.4% |
| 全疾病団信 | あらゆる疾病・ケガで180日以上就業不能で完済 | +0.2〜0.4% |
40歳以降は3大疾病団信以上を推奨。生命保険の代替にもなり、コスパは比較的良好。ただし他の生命保険との重複も注意。
住宅ローン控除(2026年)
主要な仕組み
- 年末ローン残高の0.7%を所得税から控除(控除しきれない分は住民税からも一部控除)
- 適用期間:新築13年、中古10年(一部条件あり)
- 子育て世帯・若者夫婦世帯は控除上限額が優遇
省エネ性能による上限額(2026年入居)
| 住宅性能 | 借入限度額(一般) | 借入限度額(子育て・若者夫婦) |
|---|---|---|
| 長期優良・低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 |
| ZEH水準省エネ | 3,500万円 | 4,500万円 |
| 省エネ基準適合 | 3,000万円 | 4,000万円 |
| その他の住宅 | 0円(控除なし) | 0円(控除なし) |
よくある誤解
FAQ
Q. 変動0.9%で借りても、5年後に5%になるリスクは?
A. 日本では1990年代以降、長期的に金利が0%近辺で推移してきた歴史があり、急激な5%超への上昇は考えにくい。現在の市場予測でも、2030年代までに1.5〜2%程度というのが大方の見方。ただし「絶対」はないので、ストレステストでの判断が重要。
Q. 共働きペアローンと連帯債務、どっちがいい?
A. ペアローン:夫婦それぞれが独立した契約。両者とも住宅ローン控除が使え、団信もそれぞれ加入。連帯債務(収入合算):1本のローン契約に2人で連帯責任。控除は主債務者のみ、団信も主債務者のみ。共働きで両方の控除を取りたいならペアローン推奨。
Q. 繰上返済 vs 新NISA積立、どっち優先?
A. 住宅ローン控除期間中(13年)は、控除0.7%以上のリターンが新NISAで取れる見込みなら新NISA優先。控除期間終了後は、ローン金利が新NISA期待リターン(年5%前後)より低ければ新NISA継続でOK。
Q. フラット35はずっと審査が緩い?
A. 一般のメガバンクと比べてフラット35(住宅金融支援機構)は審査がやや緩め。職業や勤続年数の制限が緩く、自営業・フリーランスにも対応しやすい。
Q. ネット銀行と店舗銀行、どっちが得?
A. ネット銀行(住信SBI、auじぶん、PayPay銀行等)は変動金利が安く、団信も充実。店舗銀行(メガバンク等)は対面相談ができる安心感。金利重視ならネット銀行、サポート重視なら店舗銀行。
Q. 借換するベストタイミングは?
A. 変動金利が再び下がるタイミングを狙うのは難しい。一般的には「現ローン残高×金利差×残り年数 > 借換諸費用×2倍」になったら検討開始。シミュレーションは各銀行サイトで無料。
📌 ご利用にあたって
本記事は2026年5月時点の情報に基づく一般的な情報提供を目的としています。金利は日々変動します。住宅ローンの最終的な判断は、ご自身の家計状況・借入金融機関のシミュレーションに基づき行ってください。具体的な金融商品の推奨ではありません。フラット35公式サイト、各金融機関の最新情報をご確認ください。

