「生命保険、いくらかければいい?」よくある勧誘では「夫が亡くなったら3000万円必要」と言われがち。真実は人によって違う。本記事ではFPねこが2026年5月時点の遺族年金額を踏まえて、必要保障額の正しい計算式を解説します。
必要保障額の計算式
遺族年金の正確な金額
①遺族基礎年金(自営業・会社員共通)
子のある配偶者・子が受給:
| 子の数 | 年額 |
|---|---|
| 子1人 | 約101万円 |
| 子2人 | 約124万円 |
| 子3人 | 約131万円 |
※2026年度の額。子が18歳到達年度末まで支給。
②遺族厚生年金(会社員・公務員のみ)
故人の平均年収による:
| 故人の平均年収 | 遺族厚生年金(年額目安) |
|---|---|
| 300万円 | 約25万円 |
| 500万円 | 約42万円 |
| 700万円 | 約58万円 |
| 1,000万円 | 約83万円 |
③中高齢寡婦加算(40〜65歳の遺族妻に)
40歳以上65歳未満の妻 → 年59万円が追加支給。
具体的なケーススタディ
ケース:30代会社員夫(年収500万)+ 妻(パート)+ 子2人(小学生)
| 項目 | 金額/年 |
|---|---|
| 遺族の生活費(月20万) | −240万 |
| 住宅ローン(団信で完済) | 0 |
| 子の教育費(大学卒業まで) | −400万(5年平均) |
| 遺族基礎年金(子2人) | +124万 |
| 遺族厚生年金 | +42万 |
| 妻のパート収入 | +150万 |
| 差し引き不足分(年間) | −324万 |
子が独立するまで15年として、不足総額 = 324万 × 15年 ≒ 4,860万円。
ただし、妻が今後フルタイム勤務に移行・貯蓄使用などで、実際の必要保障額は3,000〜5,000万円が現実的。
必要保障額・属性別早見表
| 世帯 | 必要保障額の目安 |
|---|---|
| 独身 | 葬儀代200〜300万円のみ |
| 夫婦のみ(子なし) | 500〜1,000万円 |
| 夫婦+子1人(小学生) | 2,500〜4,000万円 |
| 夫婦+子2人(小学生) | 3,500〜5,000万円 |
| 夫婦+子1人(高校生以上) | 1,500〜2,500万円 |
| 夫婦+子(独立済) | 500〜1,000万円 |
必要保障額の正しい保険の選び方
推奨:定期保険 or 収入保障保険(掛け捨て)
非推奨:終身保険
- 保険料が高い(同じ保障で5倍以上)
- 「貯蓄性」を売りにするが、利回り0.5〜1.5%
- 解約返戻金は数十年加入してやっと元本割れ回避
団信(団体信用生命保険)の重要性
住宅ローン契約時の団信が、実質「数千万円の生命保険」になっている。死亡時にローン残債が完済されるので、配偶者は住居費負担なし。
💡 計算時の注意:必要保障額の計算で「住居費」を含める時、団信加入なら住宅ローン分は差し引いてOK。家賃住まいなら家賃を支出に計上。
年代別の保障額の調整
- 20〜30代:必要保障額大 → 月3,000〜5,000円の定期保険
- 40代:教育費ピーク → 必要保障額をピークに
- 50代:子の独立で必要保障額減少 → 保険を縮小・解約
- 60代以降:原則不要 → 解約して新NISAへ
よくある誤解
FAQ
Q. 30代会社員、独身。生命保険は?
A. 葬儀代300万円程度の少額終身 or 不要。死亡保険金で守る家族がいないため。
Q. 妻が専業主婦。妻にも生命保険必要?
A. 妻の死亡で発生する追加支出(家事代行・子の世話)を考慮して500〜1,000万程度。
Q. 50歳。すでに加入している終身保険、続けるべき?
A. 払込済なら継続OK。これから払込なら、解約返戻金を確認して新NISAに切替検討。
Q. 学資保険は生命保険の代わりになる?
A. 学資保険の死亡保障は限定的。生命保険と別物として考える。
📌 ご利用にあたって
本記事は2026年5月時点の情報。具体的な保険選択はご自身の状況に応じて、独立系FPまたは保険専門家にご相談を。

