障害年金、いくら?どう請求する?完全ガイド|2026年版
「うつ病・がん・糖尿病でも対象」── 障害年金の請求漏れ率は40%と言われ、本当はもらえる人の多くが請求していない。
初診日要件・等級判定・診断書のコツまで、請求の壁を完全攻略します。
目次
1. 障害年金とは?対象になる病気・けが
障害年金は「病気やけがで仕事や日常生活に支障がある人」に支給される公的年金。65歳未満が対象(一部例外あり)。
対象となる主な傷病
- 精神疾患:うつ病・統合失調症・双極性障害・発達障害
- がん:手術後の後遺症や治療継続中の機能低下
- 循環器:心疾患(ペースメーカー・人工弁等)
- 呼吸器:慢性閉塞性肺疾患(COPD)等
- 糖尿病:合併症(網膜症・腎症・神経障害)
- 腎疾患:人工透析、慢性腎不全
- 神経系:パーキンソン病、ALS、脳梗塞後遺症
- 感覚器:視覚障害、聴覚障害
- 骨・関節:人工関節、脊柱障害
- 外傷:交通事故・労災後の後遺症
うつ病・がん・糖尿病など「身体障害者手帳がなくても」障害年金を受給できるケースは多い。「働きながら受給」も可能です。
2. 障害基礎年金と障害厚生年金
| 制度 | 加入年金 | 等級 | 受給対象 |
|---|---|---|---|
| 障害基礎年金 | 国民年金(全員) | 1級・2級 | 20歳前の傷病も対象 |
| 障害厚生年金 | 厚生年金(会社員・公務員) | 1級・2級・3級 | 初診日が厚生年金加入中の傷病 |
| 障害手当金 | 厚生年金 | — | 一時金として支給 |
自営業者・専業主婦が国民年金加入中に発症した場合、軽度(3級相当)でも障害年金は出ない。逆に会社員時代に初診日があれば3級でも受給可能。初診日の年金種別が運命を分ける。
3. 受給額(等級別・家族構成別)
障害基礎年金(2026年度)
| 等級 | 本人 | 子の加算(1人目・2人目) | 3人目以降 |
|---|---|---|---|
| 1級 | 年1,020,000円 | 各234,800円 | 各78,300円 |
| 2級 | 年816,000円 | 各234,800円 | 各78,300円 |
障害厚生年金(年収別・概算)
| 平均報酬月額 | 1級 | 2級 | 3級 |
|---|---|---|---|
| 30万円 | 年144万円 | 年115万円 | 年86万円 |
| 40万円 | 年192万円 | 年154万円 | 年115万円 |
| 50万円 | 年240万円 | 年192万円 | 年144万円 |
※障害厚生年金は障害基礎年金と合算受給される。たとえば月収40万円・1級・子2人なら年192万+102万+47万=年341万円。
配偶者加給年金
障害厚生年金1級・2級受給者で、生計維持する配偶者がいる場合は年234,800円の加算あり。
4. 3つの要件(初診日・保険料納付・障害認定日)
要件①:初診日
「初めてその傷病で医師の診療を受けた日」を確定する必要があります。受診状況等証明書(カルテ・診察券)で証明。
医療機関のカルテは法定保存期間が5年(完結後)。10年以上前の初診日を証明するのは難しいことがある。診察券・健康診断結果・お薬手帳などで補強する。
要件②:保険料納付
初診日の前日において、以下のいずれかを満たすこと:
- (原則)初診日の前々月までの加入期間のうち2/3以上が納付済または免除
- (特例)直近1年間に未納がない(2026年4月以降の初診日まで適用)
要件③:障害認定日
初診日から1年6カ月経過した日、または症状が固定した日。この日時点で障害等級1〜3級に該当することが必要。
5. 等級判定の基準
1級(最重度)
- 日常生活に常に他人の介護が必要
- ベッド周辺の活動が限度
- 例:両眼失明、人工透析(一部)、寝たきり
2級(重度)
- 日常生活に著しい支障
- 労働は不可能または極端に制限
- 例:うつ病で就労困難、人工透析、人工関節(両側)
3級(中度・厚生年金のみ)
- 労働は可能だが制限を要する
- 軽度の労務しかできない
- 例:ペースメーカー、人工関節(片側)、軽度のうつ病
6. 請求手続きの流れ
| ステップ | 内容 | 所要 |
|---|---|---|
| 1. 年金事務所相談 | 受給可能性の事前確認 | 1日 |
| 2. 必要書類の入手 | 請求書・診断書様式・受診状況等証明書 | 1〜2週間 |
| 3. 医師に診断書記入依頼 | 専用様式(病名で書式異なる) | 2週間〜2カ月 |
| 4. 病歴・就労状況等申立書作成 | 本人が作成(最重要書類) | 1週間 |
| 5. 年金事務所提出 | 書類一式 | 1日 |
| 6. 審査・決定 | 日本年金機構の審査 | 3〜4カ月 |
請求から決定まで時間がかかるが、認定されれば障害認定日まで遡って支給される(最大5年)。早く請求するほど取りこぼしが減る。
7. よくある却下理由と対策
却下理由①:初診日が証明できない
カルテ廃棄・転院・記憶曖昧で初診日が確定できないケース。対策:診察券・お薬手帳・健診記録・第三者証明書を活用。
却下理由②:保険料納付要件を満たさない
未納期間が3分の1超ある場合。対策:免除・猶予申請を早めにする(後付け不可だが、初診日前日までの状況で判定)。
却下理由③:診断書の記載が軽い
医師が「軽い症状」を強調する書き方をしてしまう。対策:社労士に診断書のチェックを依頼。具体的な日常生活の支障を伝えて補足してもらう。
却下理由④:病歴・就労状況等申立書の内容が薄い
「ふつうに生活できている」と書いてしまう。対策:本当の日常生活の苦労(家事ができない・通院に付き添いが必要等)を具体的に・時系列で記述する。
8. FPねこの結論
1. 少しでも該当しそうなら年金事務所で無料相談(断られても損失ゼロ)
2. 初診日が分からないと話にならない。診察券・お薬手帳を整理しておく
3. 診断書・申立書は社労士に相談(成功報酬制が一般的、5〜10万円)
4. うつ病・がん・糖尿病でも対象。働きながらでも受給可
5. 遡及請求で最大5年分を一括受給できる
障害年金は「申請しないと受け取れない」制度。日本の請求漏れ率は40%超とも言われ、本当は受給できる人の多くが申請していません。家族・友人で病気と闘っている人がいたら、まず無料相談を勧めてあげてください。
免責事項
本記事は2026年5月時点の制度に基づく一般的な情報提供です。等級判定・受給可否は個別事情で大きく変わるため、年金事務所・社会保険労務士にご相談のうえご判断ください。

