遺族年金、いくらもらえる?配偶者死亡時のお金完全ガイド|2026年版(2025年改正対応)

iDeCo・年金
年金 公開 2026.05.28 更新 2026.05.28 ⏱ 読了目安 約11分

1. 遺族年金とは?3つの制度を整理

遺族年金は「亡くなった人の年金加入状況」「遺された遺族の状況」で支給内容が変わります。日本の遺族年金制度は以下の3階建てです。

制度誰が対象主な支給対象
遺族基礎年金国民年金加入者(全員)18歳未満の子のある配偶者、または子
遺族厚生年金厚生年金加入者(会社員・公務員)配偶者・子・父母・孫・祖父母(優先順位あり)
寡婦年金・死亡一時金自営業者(国民年金1号)遺族基礎年金が出ない場合の救済措置
ポイント
会社員・公務員の死亡時は「遺族基礎年金+遺族厚生年金」の2階建て、自営業者は遺族基礎年金のみ(子が18歳未満の場合)または寡婦年金などで救済される構造。

2. 遺族基礎年金(国民年金)の支給額と条件

支給額(2026年度)

  • 基本額:年816,000円(67歳以下の場合)
  • 子の加算:第1子・第2子=各234,800円/第3子以降=各78,300円

受給できる人

  • 子のある配偶者(子が18歳到達年度末まで、障害ある子は20歳まで)
  • または子自身(配偶者が不在の場合)

受給額の早見表

家族構成年額月額
配偶者+子1人1,050,800円約8.8万円
配偶者+子2人1,285,600円約10.7万円
配偶者+子3人1,363,900円約11.4万円
子1人のみ(配偶者なし)1,050,800円約8.8万円
注意
子のいない配偶者には遺族基礎年金は出ない。子が18歳到達年度末(高校卒業時)を迎えると支給は停止する。

3. 遺族厚生年金の計算式と早見表

計算式

遺族厚生年金は「老齢厚生年金の3/4」が基本。

  • 遺族厚生年金 = 平均標準報酬月額 × 5.481/1000 × 加入月数 × 3/4
  • 厚生年金加入期間が25年未満でも、計算上は25年(300月)で算定(最低保証)

平均報酬・加入年数別の早見表(年額)

平均報酬月額加入20年加入30年加入40年
30万円444,000円444,000円592,000円
40万円592,000円592,000円789,000円
50万円740,000円740,000円987,000円
60万円888,000円888,000円1,184,000円

※加入20年は最低保証(300月計算)が適用。実加入年数が25年以上になると実際の月数で計算されます。

「中高齢寡婦加算」

夫の死亡時に40歳以上65歳未満で子がない(または子の遺族基礎年金支給終了後)の妻には、年612,000円の中高齢寡婦加算が65歳まで上乗せ。

4. 家族構成別シミュレーション

ケースA:会社員夫(年収500万円・加入20年)が死亡、妻+子1人

  • 遺族基礎年金:1,050,800円
  • 遺族厚生年金:約740,000円(平均報酬40万円相当)
  • 合計年額:約179万円(月額約14.9万円)
  • 子の18歳到達後は遺族基礎年金が打ち切られ、遺族厚生年金74万円+中高齢寡婦加算61万円=年135万円に減

ケースB:自営業夫(国民年金のみ)が死亡、妻+子2人

  • 遺族基礎年金:1,285,600円
  • 合計年額:約129万円(月額約10.7万円)
  • 子が18歳に達すると原則ゼロ(寡婦年金・死亡一時金で救済の可能性)

ケースC:会社員夫(年収700万円・加入30年)が死亡、子なし妻45歳

  • 遺族基礎年金:なし(子なしのため)
  • 遺族厚生年金:約888,000円(平均報酬50万円相当)
  • 中高齢寡婦加算:612,000円(65歳まで)
  • 合計年額:約150万円(月額約12.5万円)

5. 2025年改正:男女差解消の経過措置

2025年改正で、夫が死亡した場合の妻と、妻が死亡した場合の夫の取り扱いが段階的に男女差解消へ。

  • 従来:夫死亡で妻が遺族厚生年金(年齢条件なし)/妻死亡で夫が遺族厚生年金(55歳以上+実支給は60歳から)
  • 改正後:男女差を段階的に縮小。2028年度以降の死亡では男女同等の取り扱いに移行予定
  • 有期年金化(5年支給)への移行も議論中
注意
2025年改正は2028年度から段階適用。「子のいない若い妻」の遺族厚生年金は将来的に5年有期になる方向で議論中のため、生命保険による備えが今後さらに重要。

6. 寡婦年金・死亡一時金(自営業向け)

寡婦年金

自営業の夫が10年以上保険料を納付して死亡し、婚姻期間10年以上の妻には、夫の老齢基礎年金額の3/4が60〜65歳まで支給される。

死亡一時金

遺族基礎年金が出ない遺族(成人した子のみの場合など)には、保険料納付月数に応じて12〜32万円が一時金支給。

保険料納付月数支給額
36月以上180月未満120,000円
180月以上240月未満145,000円
240月以上300月未満170,000円
300月以上360月未満220,000円
360月以上420月未満270,000円
420月以上320,000円

7. 不足分を生命保険で補う設計

遺族年金の試算ができたら、「不足額×必要年数」を計算し、その分を生命保険で備えます。

必要保障額の計算式

必要保障額 = (遺族の必要生活費 + 教育費 + 住居費等) − 遺族年金 − 配偶者の収入 − 既存貯蓄

ケースA(会社員夫・子1人)の必要保障額

  • 必要生活費:月25万円×子18歳まで15年=4,500万円
  • 教育費:1,000万円
  • 遺族年金(合計):月14万円×15年+月11万円×4年=約2,800万円
  • 妻のパート収入:月10万円×15年=1,800万円
  • 不足額(必要保障):約900万円
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免責事項

本記事は2026年5月時点の公的年金制度に基づく一般的な情報提供で、個別の年金計算ではありません。実際の受給額は日本年金機構のシミュレーションまたは年金事務所でご確認ください。

質問者
質問もし配偶者が亡くなったら、年金ってもらえるんですか?
FPねこ
FPねこもらえるにゃ🐾 公的年金には遺族年金があって、亡くなった人の加入状況や残された家族構成(子の有無など)で「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」が支給される。会社員(厚生年金)か自営業(国民年金)かで手厚さが変わるのがポイント。いくらもらえるかを知っておくと、必要な保険額も正しく決められるにゃ。
質問者
質問じゃあ生命保険はそんなに要らない?
FPねこ
FPねこ遺族年金を引き算してから考えるのが正解だにゃ🐾 必要保障額=これからかかるお金 −(遺族年金+貯蓄+配偶者の収入)。この引き算をせずに「不安だから」と大きな保険に入ると払いすぎになる。足りない分だけを掛け捨ての収入保障保険で備えるのが、FPねこのおすすめだにゃ。
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