遺族年金、いくらもらえる?配偶者死亡時のお金完全ガイド
「もしも夫(妻)が亡くなったら、年金はいくら?」
遺族基礎年金・遺族厚生年金・寡婦年金の3制度を整理し、家族構成別に「具体的にもらえる金額」と「足りない部分の備え方」を解説します。
目次
1. 遺族年金とは?3つの制度を整理
遺族年金は「亡くなった人の年金加入状況」と「遺された遺族の状況」で支給内容が変わります。日本の遺族年金制度は以下の3階建てです。
| 制度 | 誰が対象 | 主な支給対象 |
|---|---|---|
| 遺族基礎年金 | 国民年金加入者(全員) | 18歳未満の子のある配偶者、または子 |
| 遺族厚生年金 | 厚生年金加入者(会社員・公務員) | 配偶者・子・父母・孫・祖父母(優先順位あり) |
| 寡婦年金・死亡一時金 | 自営業者(国民年金1号) | 遺族基礎年金が出ない場合の救済措置 |
ポイント
会社員・公務員の死亡時は「遺族基礎年金+遺族厚生年金」の2階建て、自営業者は遺族基礎年金のみ(子が18歳未満の場合)または寡婦年金などで救済される構造。
会社員・公務員の死亡時は「遺族基礎年金+遺族厚生年金」の2階建て、自営業者は遺族基礎年金のみ(子が18歳未満の場合)または寡婦年金などで救済される構造。
2. 遺族基礎年金(国民年金)の支給額と条件
支給額(2026年度)
- 基本額:年816,000円(67歳以下の場合)
- 子の加算:第1子・第2子=各234,800円/第3子以降=各78,300円
受給できる人
- 子のある配偶者(子が18歳到達年度末まで、障害ある子は20歳まで)
- または子自身(配偶者が不在の場合)
受給額の早見表
| 家族構成 | 年額 | 月額 |
|---|---|---|
| 配偶者+子1人 | 1,050,800円 | 約8.8万円 |
| 配偶者+子2人 | 1,285,600円 | 約10.7万円 |
| 配偶者+子3人 | 1,363,900円 | 約11.4万円 |
| 子1人のみ(配偶者なし) | 1,050,800円 | 約8.8万円 |
注意
子のいない配偶者には遺族基礎年金は出ない。子が18歳到達年度末(高校卒業時)を迎えると支給は停止する。
子のいない配偶者には遺族基礎年金は出ない。子が18歳到達年度末(高校卒業時)を迎えると支給は停止する。
3. 遺族厚生年金の計算式と早見表
計算式
遺族厚生年金は「老齢厚生年金の3/4」が基本。
- 遺族厚生年金 = 平均標準報酬月額 × 5.481/1000 × 加入月数 × 3/4
- 厚生年金加入期間が25年未満でも、計算上は25年(300月)で算定(最低保証)
平均報酬・加入年数別の早見表(年額)
| 平均報酬月額 | 加入20年 | 加入30年 | 加入40年 |
|---|---|---|---|
| 30万円 | 444,000円 | 444,000円 | 592,000円 |
| 40万円 | 592,000円 | 592,000円 | 789,000円 |
| 50万円 | 740,000円 | 740,000円 | 987,000円 |
| 60万円 | 888,000円 | 888,000円 | 1,184,000円 |
※加入20年は最低保証(300月計算)が適用。実加入年数が25年以上になると実際の月数で計算されます。
「中高齢寡婦加算」
夫の死亡時に40歳以上65歳未満で子がない(または子の遺族基礎年金支給終了後)の妻には、年612,000円の中高齢寡婦加算が65歳まで上乗せ。
4. 家族構成別シミュレーション
ケースA:会社員夫(年収500万円・加入20年)が死亡、妻+子1人
- 遺族基礎年金:1,050,800円
- 遺族厚生年金:約740,000円(平均報酬40万円相当)
- 合計年額:約179万円(月額約14.9万円)
- 子の18歳到達後は遺族基礎年金が打ち切られ、遺族厚生年金74万円+中高齢寡婦加算61万円=年135万円に減
ケースB:自営業夫(国民年金のみ)が死亡、妻+子2人
- 遺族基礎年金:1,285,600円
- 合計年額:約129万円(月額約10.7万円)
- 子が18歳に達すると原則ゼロ(寡婦年金・死亡一時金で救済の可能性)
ケースC:会社員夫(年収700万円・加入30年)が死亡、子なし妻45歳
- 遺族基礎年金:なし(子なしのため)
- 遺族厚生年金:約888,000円(平均報酬50万円相当)
- 中高齢寡婦加算:612,000円(65歳まで)
- 合計年額:約150万円(月額約12.5万円)
5. 2025年改正:男女差解消の経過措置
2025年改正で、夫が死亡した場合の妻と、妻が死亡した場合の夫の取り扱いが段階的に男女差解消へ。
- 従来:夫死亡で妻が遺族厚生年金(年齢条件なし)/妻死亡で夫が遺族厚生年金(55歳以上+実支給は60歳から)
- 改正後:男女差を段階的に縮小。2028年度以降の死亡では男女同等の取り扱いに移行予定
- 有期年金化(5年支給)への移行も議論中
注意
2025年改正は2028年度から段階適用。「子のいない若い妻」の遺族厚生年金は将来的に5年有期になる方向で議論中のため、生命保険による備えが今後さらに重要。
2025年改正は2028年度から段階適用。「子のいない若い妻」の遺族厚生年金は将来的に5年有期になる方向で議論中のため、生命保険による備えが今後さらに重要。
6. 寡婦年金・死亡一時金(自営業向け)
寡婦年金
自営業の夫が10年以上保険料を納付して死亡し、婚姻期間10年以上の妻には、夫の老齢基礎年金額の3/4が60〜65歳まで支給される。
死亡一時金
遺族基礎年金が出ない遺族(成人した子のみの場合など)には、保険料納付月数に応じて12〜32万円が一時金支給。
| 保険料納付月数 | 支給額 |
|---|---|
| 36月以上180月未満 | 120,000円 |
| 180月以上240月未満 | 145,000円 |
| 240月以上300月未満 | 170,000円 |
| 300月以上360月未満 | 220,000円 |
| 360月以上420月未満 | 270,000円 |
| 420月以上 | 320,000円 |
7. 不足分を生命保険で補う設計
遺族年金の試算ができたら、「不足額×必要年数」を計算し、その分を生命保険で備えます。
必要保障額の計算式
必要保障額 = (遺族の必要生活費 + 教育費 + 住居費等) − 遺族年金 − 配偶者の収入 − 既存貯蓄
ケースA(会社員夫・子1人)の必要保障額
- 必要生活費:月25万円×子18歳まで15年=4,500万円
- 教育費:1,000万円
- 遺族年金(合計):月14万円×15年+月11万円×4年=約2,800万円
- 妻のパート収入:月10万円×15年=1,800万円
- 不足額(必要保障):約900万円
免責事項
本記事は2026年5月時点の公的年金制度に基づく一般的な情報提供で、個別の年金計算ではありません。実際の受給額は日本年金機構のシミュレーションまたは年金事務所でご確認ください。

質問もし配偶者が亡くなったら、年金ってもらえるんですか?

FPねこもらえるにゃ🐾 公的年金には遺族年金があって、亡くなった人の加入状況や残された家族構成(子の有無など)で「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」が支給される。会社員(厚生年金)か自営業(国民年金)かで手厚さが変わるのがポイント。いくらもらえるかを知っておくと、必要な保険額も正しく決められるにゃ。

質問じゃあ生命保険はそんなに要らない?

FPねこ遺族年金を引き算してから考えるのが正解だにゃ🐾 必要保障額=これからかかるお金 −(遺族年金+貯蓄+配偶者の収入)。この引き算をせずに「不安だから」と大きな保険に入ると払いすぎになる。足りない分だけを掛け捨ての収入保障保険で備えるのが、FPねこのおすすめだにゃ。

