相続財産に株式が含まれるとき、「その株をいくらと評価するか」で相続税が変わります。上場株式・非上場株式それぞれの評価方法を、FPねこがやさしく解説します。
相続での株式評価の基本
相続税を計算するには、相続した財産を「いくらの価値か」で評価する必要があります。株式の場合、上場株式か非上場株式かで評価方法が大きく異なります。預貯金のように額面が決まっていないため、評価のルールを知っておくことが大切です。
上場株式の評価
証券取引所に上場している株式は、次の4つのうち最も低い価額で評価できます。①相続が起きた日の終値 ②その月の終値の月平均 ③前月の終値の月平均 ④前々月の終値の月平均。株価は変動するため、低い時期の平均を選べる仕組みになっており、納税者に有利です。
非上場株式の評価
同族会社など非上場株式の評価は複雑で、会社の規模・資産・利益などをもとに専門的に計算します(類似業種比準方式・純資産価額方式など)。オーナー経営者の事業承継では、この評価額が相続税を大きく左右するため、専門家による事前対策が重要です。


相続した株を売るときの注意
相続した株を売却するときにも、税金の注意点があります。売却益(譲渡所得)には約20.315%の税金がかかりますが、その際の「取得費」は、原則として亡くなった人が買ったときの価格を引き継ぐ(相続税評価額ではない)点に注意。古くから持っていた株だと取得費が分からないこともあり、その場合は売却額の5%を取得費とみなすルールもあります。また、相続税を払った人が一定期間内に売却した場合、相続税の一部を取得費に加算できる「取得費加算の特例」もあります。売却前に確認しておくと、税負担を抑えられます。


NISA口座の株はどうなる?
NISA口座で保有していた株式や投資信託も、相続の対象になります。注意したいのは、NISAの非課税メリットは、保有していた本人が亡くなった時点で終了すること。相続人が引き継ぐ場合は、相続発生時の時価で相続税の対象(基礎控除内なら非課税)となり、その後は相続人の課税口座(またはNISA口座)に移されます。相続人がNISAをそのまま引き継いで非課税運用を続けられるわけではない、という点を知っておきましょう。詳しい手続きは証券会社に確認するのが確実です。




結局どうすればいい?
相続での株式評価は上場株式なら「相続日・当月・前月・前々月の終値(平均)の4つのうち最も低い額」を選べ、納税者に有利です。非上場株式は評価が複雑で、特に同族会社のオーナー一族は相続税を大きく左右するため、相続に強い税理士による事前対策が重要。相続した株の売却時の取得費や、NISA口座の扱いにも注意。通常の計算は税理士に任せるのが安心です。

