退職金というまとまったお金を、自社株や個別株に一気に投じるのは危険です。「退職金デビュー」で失敗しないために、安全な運用の考え方を、FPねこが解説します。
退職金を一括で集中投資する危うさ
退職金は人生で最大級のまとまったお金。これを自社株や特定の個別株に一括で集中投資するのは、非常にリスクが高い行動です。もしその1社が不調になれば、老後資金が大きく傷つきます。取り返す時間も限られる年代だけに、致命傷になりかねません。「大きく増やそう」と焦るほど、大きく失うリスクも高まることを忘れてはいけません。
退職金の安全な扱い方
- まず生活防衛資金と当面の生活費を確保:あわてて投資に回さない
- 使う予定のあるお金は投資しない:住宅修繕・医療・旅行などの予定分は現金で
- 投資するなら分散・時間分散:1社集中でなくインデックスで、一括でなく数回に分けて
- 高手数料の「退職金プラン」に飛びつかない


まず「何もしない」のが正解
退職金が入ったら、まずおすすめなのは「すぐには何もしない」ことです。大金が入ると気が大きくなり、銀行や証券会社の勧誘に乗って、よく分からない商品を契約してしまいがち。まずは普通預金などに置いたまま、生活防衛資金と使う予定のお金を分けて、頭を冷やしましょう。投資は、家計の見直しと勉強をしてから、余裕資金の範囲で始めても遅くありません。「退職金が入った高揚感」のまま大きな決断をしないことが、何よりの防御策です。


自社株への依存に注意
特に注意したいのが、在職中から従業員持株会などで自社株を多く持っている人です。退職後もそのまま持ち続けたり、退職金で買い増したりすると、資産が1社に極端に偏ります。現役時代は「給料も自社株も同じ会社」というリスクを負っていたわけですが、退職後はむしろ自社株を売却して分散させるのが賢明。会社への愛着があっても、老後資金は会社の業績と運命を共にすべきではありません。退職を機に、自社株の比率を下げ、インデックスなどで分散させることを検討しましょう。




結局どうすればいい?
退職金を自社株や個別株に一括集中投資するのは危険。1社の不調が老後資金を直撃し、取り返す時間も限られます。まず生活防衛資金と使う予定のお金を確保し、残った余裕資金だけを、インデックスで分散・数回に分けて投資を。手数料の高い「退職金専用プラン」には飛びつかず、自社株への依存は退職を機に解消を。大きなお金ほど慌てず時間をかけて判断しましょう。

