親が亡くなって実家を相続したとき、「住む人がいない家」をどうするかは大きな悩みです。売る・貸す・住む——それぞれの選択肢と、税金の注意点、進め方まで、FPねこが整理します。
まず相続税の基礎控除を確認
相続税には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除があります。たとえば相続人が配偶者と子2人の計3人なら、4,800万円まで非課税。実家+預貯金などの遺産総額がこの範囲なら、相続税はかかりません。多くの家庭ではこの控除内に収まるので、まずは「相続税がかかるのかどうか」を把握することが出発点です。
遺産総額が基礎控除を超えそうな場合は、相続税の申告・納税が必要になります。申告期限は「相続の開始を知った日の翌日から10か月以内」と決まっており、これを過ぎるとペナルティもあります。早めに財産の全体像を把握しておくことが大切です。
実家の3つの選択肢
① 売る
住む予定も貸す予定もないなら、売却が現実的。空き家のまま放置すると固定資産税や管理の負担が続き、傷んで価値も下がります。相続した空き家を売る場合、一定要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を特別控除できる特例もあります(要件・期限に注意)。
② 貸す
立地が良ければ賃貸に出して家賃収入を得る道も。ただしリフォーム費用や管理の手間、空室リスクがあります。賃貸経営は「不労所得」のイメージがありますが、実際には手間とリスクが伴う事業だと理解しておきましょう。
③ 住む
自分や家族が住む選択。思い出も活かせますが、古い家は耐震・断熱の改修費がかかることも。実家を二世帯住宅に建て替えるといった選択肢もあります。


生前贈与の「7年ルール」にも注意
相続対策として「生前に少しずつ贈与しておく」方法がありますが、2024年から生前贈与の持ち戻し期間が3年から7年に延長されました。つまり、亡くなる前7年以内の贈与は、相続財産に加算されて相続税の対象になります(延長された4年分は計100万円まで対象外)。「亡くなる直前に駆け込みで贈与」しても節税効果は薄い、ということ。生前贈与で対策するなら、早めに計画的に行う必要があります。


相続の進め方の流れ
実家の相続では、おおまかに①遺言の有無を確認 ②相続人を確定(戸籍を集める)③財産の調査(不動産・預金・借金)④遺産分割協議(誰が何を相続するか話し合う)⑤相続登記(不動産の名義変更)⑥相続税の申告・納税(必要な場合、10か月以内)という流れで進みます。especially、2024年から相続登記が義務化され、相続を知ってから3年以内に登記しないと過料の対象になる点に注意。手続きが複雑なので、司法書士や税理士に相談するとスムーズです。


結局どうすればいい?
実家の相続は、まず遺産総額が基礎控除(3,000万円+600万円×相続人数)内かを確認。そのうえで「売る・貸す・住む」を早めに決めましょう。空き家放置が最も損です。売却なら相続空き家の3,000万円特別控除の要件・期限を確認。相続登記は3年以内の義務なので忘れずに。分け方で揉めそうなら、早めに専門家を交えるのが円満のコツです。

