「長期金利が上がった」とニュースで聞いて、住宅ローンを変動で借りている自分は大丈夫だろうか——そんな不安を持つ人に向けて、いま何をすべきかを3つに絞ってFPねこが解説します。あわてず、でも放置せず、が正解です。
何が起きた?長期金利が約30年ぶりの高水準に
2026年5月、日本の長期金利(新発10年物国債利回り)は一時2.5%台に上昇し、さらに2.7%前後まで上がる場面がありました。これは1997年以来、およそ30年ぶりの高水準です。日銀の利上げ観測や物価上昇を背景に、金利全体が上向いています。長く「超低金利」が当たり前だった日本にとって、大きな転換点です。


変動金利の人がやるべき3つのこと
① 自分のローンの「残高・残り年数・金利」を書き出す
まず現状把握です。借入残高・残り返済年数・適用金利の3つを、ローンの明細やネットバンキングで確認しましょう。この3つがわかれば、「金利が1%上がったら月いくら増えるか」がシミュレーションできます。残高が多く残り年数も長い人ほど、金利上昇のダメージは大きくなります。逆に、残高が少なく残り年数も短ければ、影響は限定的です。
② 「5年ルール・125%ルール」を理解して落ち着く
変動金利の多くには、急な負担増を防ぐ仕組みがあります。5年ルール=金利が上がっても5年間は毎月の返済額を変えない。125%ルール=5年後に返済額が増えても、前回の1.25倍までしか上がらない。つまり、金利が上がってもいきなり返済額が倍になることはありません。


③ 繰上げ返済 or 借り換えを「数字で」検討する
打てる手は主に2つ。繰上げ返済で元金を減らせば、金利上昇の影響そのものを小さくできます(生活防衛資金は残したうえで)。もうひとつが固定への借り換え。借り換えには手数料(数十万円規模)がかかるので、「金利差 × 残高 × 残り年数」で得かどうかを必ず試算しましょう。シミュレーターは各銀行のサイトで無料で使えます。
2026年の変動金利の見通し
変動金利そのものについても、動きが予想されています。変動金利が連動する短期プライムレートは、日銀の利上げを受けて上昇傾向。2025年12月の利上げ分が2026年4月以降に反映され始め、多くの銀行が2026年10月ごろに変動金利を0.25%程度引き上げるのが現時点の最有力シナリオとされています。長期金利だけでなく、変動金利も「これから上がる方向」と見ておくのが現実的です。だからこそ、変動で借りている人も「今のうちに現状把握と対策の検討を」というわけです。


これから住宅ローンを借りる人へ
金利上昇局面では「変動が得か固定が安心か」の判断がより重要になります。ポイントは返済額の予測可能性をどれだけ重視するか。多少高くても返済額を固定して安心を買いたいなら全期間固定、目先の低金利を活かしつつ繰上げ返済で対応できるなら変動、というのが基本の考え方です。頭金を2割入れて借入額自体を抑えるのも、金利リスクを下げる王道です。


結局どうすればいい?
長期金利の上昇は、まず固定金利・これから借りる人に効きますが、変動金利も2026年10月頃に引き上げ見込みで、無関係ではありません。変動の人がやるべきは①残高・年数・金利を書き出す ②5年ルール・125%ルールを理解して落ち着く ③繰上げ返済や借り換えを数字で検討するの3つ。「なんとなく不安」を「具体的な数字」に変えることが、いちばん効く一歩です。

