個人向け国債 vs 外国債券|どっちが「守りの資産」に最適?|2026年版

資産運用・制度比較
資産運用 公開 2026.05.28 更新 2026.05.28 ⏱ 読了目安 約9分

1. 「守りの資産」の役割

ポートフォリオに「守り」を入れる目的は3つ。

  • 株価暴落時のクッション:株が-30%でも全体が-15%で済むよう緩和
  • キャッシュフロー:定期的な利息収入
  • インフレ円安ヘッジ:通貨分散で日本経済リスクから距離を置く

守りの選択肢ランキング

選択肢安全性利回りインフレ耐性
普通預金×(0.001〜0.3%)×
個人向け国債△(0.5〜1.0%)○(変動10年)
米国債(10年)○(4.0〜4.5%)
米国社債(投資適格)○(5.0〜6.0%)
新興国債券◎(7〜10%)

2. 個人向け国債(変動10年・固定5年・固定3年)

3種類の特徴

商品金利タイプ最低保証金利満期
変動10年半年ごと変動0.05%10年
固定5年固定0.05%5年
固定3年固定0.05%3年

個人向け国債のメリット

  • 国が元本保証(最も安全な金融商品)
  • 1万円から購入可能
  • 1年経過後はいつでも中途換金可能(直近2回分の利息相当を返却)
  • 変動10年型は金利上昇時に利率も上がる(インフレヘッジ
  • 最低保証金利0.05%(マイナス金利でも0.05%は確保)

2026年5月時点の金利

商品金利(適用利率)
変動10年約0.71%
固定5年約0.88%
固定3年約0.66%
キャンペーン活用
証券会社が個人向け国債購入でキャッシュバックを実施することがある(購入額の0.1〜0.4%)。これを加味すると実質利回りが上がる。

3. 外国債券(米国債・社債・新興国債)

米国債(10年・2年・30年)

  • 世界で最も流動性が高い債券
  • 10年債利回り:約4.0〜4.5%(2026年5月)
  • 為替リスクあり(円高で評価減)
  • 個別購入はネット証券で可能(1,000ドルから)

米国社債(投資適格・ハイイールド)

  • 投資適格(AAA〜BBB):利回り5〜6%
  • ハイイールド(BB以下):利回り7〜10%だが信用リスク大
  • 個別購入は難しく、ETF(LQD、HYG等)経由が現実的

新興国債券

  • 利回り7〜10%だが、為替・信用リスク高い
  • ETF(EMB、PCY等)で分散投資が安全
  • 守りの資産としては「攻め寄り」、ポートフォリオの5%以下推奨

4. 5つの軸で比較

個人向け国債米国債米国社債
1. 安全性◎(国保証)○(米国信用)△(個別企業)
2. 利回り△(0.5〜1.0%)○(4.0〜4.5%)◎(5〜6%)
3. 為替リスクなしありあり
4. 流動性○(1年後中途換金可)
5. 税制20.315%(特定口座可)20.315%+米国10%20.315%+米国10%

5. 為替リスクの実態

米国債10年で利回り4.5%でも、円高30%が起これば3年間の利息が全部吹き飛ぶ計算になります。

ドル円の長期変動

時期ドル円
2011年75円(円高ピーク)
2015年125円
2020年105円
2024年160円(円安ピーク)
2026年5月155円
為替の振れ幅
過去15年でドル円は75円〜160円と2倍以上変動。利回り4.5%の米国債でも、為替で30%動けば6〜7年分の利息が消える。

為替ヘッジ付き商品

「為替ヘッジあり」の米国債ETFも存在するが、ヘッジコストが年4〜5%かかる現状では実質利回りがほぼゼロに。ヘッジなしで長期保有が基本戦略。

6. 年代別の最適配分

20〜30代(成長期)

  • 守りの資産:5〜10%(個人向け国債のみで十分)
  • 株式中心でリスクを取る年代、為替リスクは取らない

40〜50代(拡大期)

  • 守りの資産:15〜25%
  • 個人向け国債10% + 米国債ETF(AGG等)10%
  • 米ドル資産で通貨分散

60代以降(取り崩し期)

  • 守りの資産:30〜40%
  • 個人向け国債15% + 米国債15% + 高配当株10%
  • 定期的な利息収入で生活費の一部をカバー

退職金活用パターン(2,000万円)

配分金額商品
守り60%1,200万円個人向け国債変動10年 600万円・米国債ETF(AGG)600万円
攻め30%600万円新NISA(オルカン)
流動性10%200万円普通預金

7. FPねこの結論

FPねこの結論
1. 20〜30代は個人向け国債のみで十分(株式メインでリスク取り)
2. 40代以降は外国債券で通貨分散を開始
3. 米国債は4%超の利回りが魅力だが為替リスクを許容できる範囲で
4. 新興国債券・ハイイールド債は5%以下に抑制
5. 退職金活用は守りの資産60%が老後の安定の基本

「守りの資産」は派手さがありませんが、暴落時のメンタル安定剤として極めて重要です。個人向け国債で日本円の守りを固め、米国債で通貨分散を加える、というシンプルな2段構えで十分です。

免責事項

本記事は2026年5月時点の市場データに基づく一般的な情報提供で、特定商品の推奨ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

質問者
質問「守りの資産」って、国債と外国債券どっちがいい?
FPねこ
FPねこ安全重視なら個人向け国債(変動10年)が無難だにゃ🐾 元本割れしにくく、国が発行、最低金利も保証、1万円から買える。外国債券は利回りが高めに見えても為替リスクがあり、円高で目減りすることも。守りの目的なら、為替で動く外債より円建ての個人向け国債のほうが役割に合っているにゃ。
質問者
質問預金じゃダメなんですか?
FPねこ
FPねこ預金でもOKだにゃ🐾 生活防衛資金(生活費の半年〜1年分)はすぐ使える預金が基本。それを超える「当面使わないけど減らしたくないお金」の置き場として、個人向け国債は預金より少し金利が良い選択肢。増やす主役は新NISA、守りは預金+国債、と役割を分けるのがバランスいいにゃ。
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