高齢の夫婦や親子が、互いに介護し合う「老老介護」。心身・経済の両面で大きな負担がかかります。共倒れを防ぐためのお金と制度の備えを、FPねこが解説します。
老老介護の何が大変か
老老介護(高齢者が高齢者を介護する状態)は、介護する側も体力・気力に限界があり、共倒れのリスクが高いのが最大の問題です。さらに、年金中心の家計で介護費用が重なると、経済的にも追い詰められやすくなります。高齢化が進む今、夫婦ともに高齢、あるいは高齢の子が高齢の親を介護するケースは増えています。「自分たちだけで頑張る」が最も危険な発想です。
共倒れを防ぐための備え
- 公的介護保険をフル活用:訪問介護・デイサービス・ショートステイで介護者の負担を軽減
- 地域包括支援センターに相談:介護の総合窓口。一人で抱え込まない
- 高額介護サービス費・高額医療介護合算:費用の上限制度を使う
- レスパイト(介護者の休息):ショートステイなどで介護者が休む時間を作る


経済面の備え方
老老介護では、お金の不安も切実です。でも、公的制度を使えば負担はかなり抑えられます。介護サービスの自己負担は原則1〜3割、高額介護サービス費で月の上限もあります。医療と介護の自己負担を合算する制度もあり、所得が低い世帯ほど軽減が手厚くなります。さらに、住民税非課税世帯なら、施設の食費・居住費の軽減なども受けられます。「お金がないから介護できない」と思い込む前に、使える制度を地域包括支援センターやケアマネジャーにまとめて確認することが大切です。


将来に備えて元気なうちに準備を
老老介護のリスクに備えるには、元気なうちからの準備も有効です。夫婦でお互いの資産・年金・希望を共有しておく、認知症に備えて家族信託や任意後見を検討しておく、住まいをバリアフリーにしておく、地域の支援サービスを調べておく——こうした準備があれば、いざ介護が必要になったとき慌てずに済みます。また、子どもや親族とも「もしものとき、どうするか」を話し合っておくと、老老介護に陥っても孤立せずに済みます。「まだ元気だから」と先送りせず、早めの備えが安心につながります。




結局どうすればいい?
老老介護は共倒れのリスクが最も高いため、「自分たちだけで頑張らない」ことが何より大切です。公的介護保険(自己負担1〜3割)をフル活用し、ショートステイなどで介護者自身も休息を。費用は高額介護サービス費などの上限制度で抑えられます。元気なうちから資産共有や認知症対策の準備を。まずは介護の総合窓口である地域包括支援センターに相談し、使える制度をすべて洗い出しましょう。

