災害や盗難で家財などに損害を受けたとき、税金が軽くなる「雑損控除」という制度があります。いざというときに知らないと損する控除を、対象や手続きまで含めてFPねこが解説します。
雑損控除とは:災害・盗難の損害で税金が軽くなる
雑損控除は、災害(地震・台風・火災など)・盗難・横領によって、生活に必要な資産(住宅・家財など)に損害を受けたとき、その損失額の一部を所得から差し引ける制度です。所得が減ることで、所得税・住民税が軽くなります。被災して大変なときに、税負担を軽くしてくれる救済制度です。
ポイントと使い方
- 対象は生活に必要な資産:住宅・家財・衣類など。事業用資産や別荘・骨董品などの贅沢品は対象外
- 控除しきれない分は繰り越せる:その年に引ききれない損失は、原則翌年以降3年間繰り越せる
- 「災害減免法」との選択:災害の場合、所得税が軽減・免除される災害減免法と、有利なほうを選べる
- 確定申告が必要:会社員でも申告しないと受けられない


雑損控除と災害減免法の違い
災害で被害を受けた場合、「雑損控除」と「災害減免法」のどちらか有利なほうを選べます。雑損控除は所得から損失を差し引く方式で、控除しきれない分を3年間繰り越せるのが特徴。一方、災害減免法は、その年の所得税を直接軽減・免除する方式で、所得金額に応じて軽減率が決まります(所得1,000万円以下が対象)。一般に、損害額が大きく所得も高めなら雑損控除、損害が比較的小さく所得が低めなら災害減免法が有利なことが多いですが、ケースによります。両方を試算して、税負担が軽くなるほうを選びましょう。


被災時にまずやること
災害で被害を受けたら、税金の手続きの前に、まず「罹災証明書」を自治体で取得しましょう。これは被害の程度を公的に証明する書類で、雑損控除だけでなく、各種給付金・支援金・保険金の請求にも必要になります。あわせて、被害状況を写真に撮り、修繕にかかった費用の領収書を保管しておきます。これらが、後で雑損控除を申告する際の証拠になります。被災直後は混乱しがちですが、証明書の取得と記録の保管を意識しておくと、後の手続きがスムーズです。




結局どうすればいい?
雑損控除は災害・盗難・横領で生活に必要な資産に損害を受けたとき、損失を所得から差し引ける制度(詐欺は対象外)。引ききれない分は3年繰り越せます。災害の場合は「災害減免法」と有利なほうを選べるので、両方試算を。会社員でも確定申告が必要です。被災時は罹災証明書と損害の記録(写真・領収書)を保管し、落ち着いてから税務署に相談しましょう。

