住宅ローンの繰上げ返済は「お得」と言われますが、やり方やタイミングを間違えると、かえって損なことも。3つの代表パターンと、繰上げすべきかの判断を、FPねこが解説します。
繰上げ返済とは:元金を前倒しで返す
繰上げ返済は、毎月の返済とは別に、まとまったお金でローンの元金を前倒しで返済すること。元金が減るぶん、その元金にかかるはずだった利息が減るのが最大のメリットです。早い時期に行うほど、利息軽減効果が大きくなります。これは、返済初期ほど利息の割合が大きいためです。
2つの方法
- 期間短縮型:毎月の返済額は変えず、返済期間を縮める。利息軽減効果が大きい
- 返済額軽減型:返済期間は変えず、毎月の返済額を減らす。月々の負担が楽になる


繰上げ返済の前に確認すること
繰上げ返済には正しい順番があります。まず①生活防衛資金(生活費の半年〜1年分)を現金で確保すること。これを崩してまで繰上げ返済すると、急な出費に対応できなくなります。次に②住宅ローン控除の期間中(最大13年)は注意。繰上げ返済で残高が減ると、控除額(残高×0.7%)も減ってしまうため、控除期間中はあえて繰上げせず、控除を受け切ってから返す、という判断もあります。手元資金とのバランスを見て進めましょう。


繰上げ返済 vs 投資
低金利時代の悩ましいテーマが「繰上げ返済と投資、どちらを優先すべきか」です。考え方はシンプルで、「住宅ローン金利」と「投資の期待リターン」を比べること。住宅ローン金利が0.5%程度なら、年5%程度が期待できるインデックス投資のほうが、数字上は有利です。一方、繰上げ返済は「確実に利息を減らせる=確実なリターン」という安心感があります。投資は元本割れリスクもあります。「数字の有利さ(投資)」と「確実性・安心感(繰上げ返済)」のどちらを重視するかで、人によって最適解は変わります。両方をバランスよく行うのも一案です。


繰上げ返済の手数料も確認
繰上げ返済には、金融機関によっては手数料がかかる場合があります。ネット銀行などでは無料のことが多いですが、一部の金融機関では1回ごとに数千円〜数万円かかることも。少額をこまめに繰上げ返済すると、手数料が積み重なって損になることもあります。繰上げ返済をする前に、自分のローンの手数料を確認しましょう。手数料が無料なら、まとまったら都度返済してもよいですが、有料ならある程度まとめて返すほうが効率的です。手続きはネットでできることが多く、手軽になっています。


結局どうすればいい?
繰上げ返済は早い時期ほど利息軽減効果が大きく、利息を減らすなら期間短縮型が有利です。ただし順番が大切。①生活防衛資金を確保 ②住宅ローン控除期間中は控除額との兼ね合いを考える ③低金利なら投資との比較も。「確実に利息を減らす安心」と「投資の期待リターン」を天秤にかけ、家計全体で判断しましょう。
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