ひとことで言うと:65歳ではなく60〜64歳に受給開始することで、年金額が減額される代わりに早く受け取れる制度のことです。
もう少し詳しく
年金繰上げ受給とは
年金繰上げ受給とは、本来65歳から受け取る老齢年金(基礎年金・厚生年金)の受給開始を、60〜64歳に早めることで、その分の月額を減額して早く受け取る制度のことです。
減額率
繰上げ1か月につき−0.4%減額(2022年4月以降):
- 60歳開始:−24.0%(最大)
- 61歳開始:−19.2%
- 62歳開始:−14.4%
- 63歳開始:−9.6%
- 64歳開始:−4.8%
※2022年3月以前の繰上げ受給は−0.5%で計算されていました。
損益分岐年齢
繰上げ年齢 + 17年が損益分岐の目安。例:60歳繰上げなら77歳まで生きれば繰上げの方が損になる、それ以降は繰上げが有利。
メリット
- 早く受給開始できる(経済的に厳しい時の選択肢)
- 短命の場合は総受給額が増える可能性
デメリット・注意点
- 一生涯減額のまま固定
- 障害基礎年金・遺族厚生年金との併給に制限
- 国民年金任意加入ができなくなる
- 寡婦年金・特例の弔慰金が受けられないケース
繰上げに向くケース(限定的)
- 65歳まで生活費を確保できない(緊急避難的)
- 健康状態が悪く、平均寿命まで生きるのが難しい見込み
- 大病・余命宣告など特殊事情
繰上げに向かないケース(大多数)
- 健康で長生きの可能性
- 65歳以降も働ける
- 貯蓄・退職金で65歳まで耐えられる
FPねこの判断
ほとんどのケースで繰上げ受給は不利です。「65歳まで何とか持ちこたえる」「むしろ繰下げを検討する」が王道と言えるでしょう。緊急避難的な選択肢として理解しておくに留めるのが安全です。
具体例
例えば、月20万円の年金を60歳から繰上げ受給すると月15.2万円に減額。77歳までに65歳開始の総受給額に逆転されます。仮に85歳まで生きると、繰上げ受給の方が総額で約500万円少なくなる計算。健康な人なら繰上げは避けるのが原則と言えるでしょう。
よくある誤解
「早くもらう方が得」と思いがちですが、長生きリスクを考えると繰上げは多くのケースで不利になります。家系の寿命や健康状態を冷静に判断することが大切と言えるでしょう。
更新日:2026年05月27日内容に誤りを見つけたら教えてください
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