投資信託や株の配当(分配金)は、「受け取る」か「再投資する」かを選べます。この選択、長期では数百万円の差を生むことも。複利の威力を数字で示しながら、FPねこが解説します。
配当再投資とは:もらった配当を再び投資に回す
配当再投資とは、株や投信から得た配当・分配金を使わずに、そのまま同じ投資に再び回すことです。これにより「元本+これまでの利益」にさらに利益がつく複利が働きます。一方「受取」は配当を現金で受け取って使う方法で、定期的な収入になりますが複利は効きません。
複利の威力:受取と再投資で大差がつく
たとえば毎年3%の配当が出る100万円の投資を考えます。受取なら毎年3万円ずつ手元に入り、30年で受け取る配当は合計90万円。元本100万円は増えません。一方再投資なら、配当も投資に回り続け、複利で資産そのものが雪だるま式に増えていきます。期間が長いほど、この差はどんどん開いていきます。
具体例:30年で見ると差は歴然
年3%で配当を再投資し続けた場合、100万円は30年後におよそ2.4倍前後まで育つ計算になります(あくまで一定利回りを仮定した試算)。配当を毎回使ってしまった場合は元本100万円のまま。「同じ配当でも、使うか再投資するかで最終的な資産は大きく変わる」のです。


再投資は「自動」でできる
「再投資は自分で買い直す手間がかかるのでは?」と思うかもしれませんが、投資信託なら「再投資型」を選べば自動で再投資してくれるので手間はゼロです。NISAのつみたて投資枠で人気のオルカンやS&P500も、分配金を出さずに内部で自動再投資するタイプが主流。ほったらかしでも複利が効く、初心者に最適な仕組みです。


受取が向いている場面
一方で、配当の「受取」が向いている場面もあります。リタイア後など、資産を取り崩して生活費にあてる段階では、定期的に入る配当は心の支えにもなります。また「配当が振り込まれるとモチベーションが上がって投資を続けられる」という人もいます。増やす時期は再投資、使う時期は受取——目的に応じた使い分けが大切です。
税金の面でも再投資が有利なことがある
配当を受け取ると、そのたびに約20%の税金がかかります(NISA口座を除く)。課税口座で配当を受け取って自分で再投資すると、税金で目減りした分しか再投資できません。一方、分配金を出さずに内部で再投資する投資信託なら、課税のタイミングが売却時まで先送りされ、その間も全額が運用に回ります。これを「課税の繰り延べ効果」といい、長期ではこの差も複利で効いてきます。NISAを使えば配当も非課税なので、まずはNISA枠での再投資型ファンドが最強の組み合わせです。


結局どうすればいい?
資産を「増やす」段階では、配当・分配金は再投資して複利を最大化するのが王道です。投資信託なら「再投資型」を選べば自動化できて手間もかかりません。リタイア後など「使う」段階になったら受取に切り替える、というように人生のステージで使い分けましょう。

