60歳で定年を迎えても、多くの人が「再雇用」で働き続けます。ただし収入は下がりがち。年金や手当との関係も含め、60歳以降の働き方とお金を、FPねこが解説します。
再雇用は「収入ダウン」が一般的
定年後の再雇用(継続雇用)では、同じ仕事でも給与が定年前の5〜7割程度に下がることが多いのが現実です。役職定年や嘱託契約への切り替えで、給与体系が変わるためです。収入が下がるのはつらいですが、働き続けることには大きなメリットもあります。生活費を年金だけに頼らずに済み、社会とのつながりが続き、年金の受給開始を遅らせる余地も生まれます。
知っておきたい制度
- 高年齢雇用継続給付:60歳時点より賃金が一定以上下がった場合、雇用保険から給付(※段階的に縮小の方向)
- 在職老齢年金:働きながら年金を受け取ると、給与と年金の合計額によっては年金が一部支給停止になることがある
- 厚生年金への加入継続:働き続けると保険料は払うが、将来の年金額が増える


働き続けると年金が増える
60歳以降も厚生年金に加入して働くと、その分将来の年金額が増えます(在職定時改定により、毎年見直されます)。つまり「働きながら、もらう年金も育てる」ことができるのです。さらに、収入があるおかげで年金の受給開始を遅らせる(繰下げ受給する)余裕も生まれます。年金は1か月繰り下げるごとに0.7%増え、最大75歳まで繰り下げれば84%増額になります。「再雇用で働く+年金を繰り下げる」を組み合わせれば、生涯にわたって受け取る年金額を大きく増やせます。


再雇用後の働き方を主体的に選ぶ
再雇用は「会社に言われるまま」になりがちですが、自分の希望を主体的に考えることも大切です。フルタイムで働くか、週数日の短時間勤務にするか。収入を優先するか、自分の時間を優先するか。健康・生きがい・家計のバランスを考えて、自分に合った働き方を選びましょう。また、定年を機に、これまでの経験を活かして別の会社や働き方(顧問・フリーランス・地域の仕事など)に移る人もいます。60代は「働き方を見直す」良い節目。お金だけでなく、どう生きたいかも含めて考えたいところです。




結局どうすればいい?
60歳以降の再雇用は収入が下がりがちでも、働き続けるメリットは大きいです。資産の取り崩しを減らせ、厚生年金に加入し続ければ将来の年金も増えます。「在職老齢年金で年金が減る」のは給与と年金の合計が高い人の話で、一般的な再雇用なら影響が小さいことも。年金の繰下げ受給と組み合わせれば、生涯の受取額を増やせます。健康・生きがい・家計のバランスで、主体的に働き方を選びましょう。

