株価が上がるか下がるか——その根っこにあるのが「EPS(1株あたり利益)」です。地味ですが、株式投資でいちばん大事な指標のひとつ。計算方法から、伸びる会社の見分け方まで、FPねこがかみ砕いて解説します。
EPSとは:1株あたりいくら稼いだか
EPS(Earnings Per Share=1株あたり利益)は、会社の純利益を発行済み株式数で割った数字です。計算式は「EPS=純利益 ÷ 発行済株式数」。1株が1年間でいくらの利益を生んだかを表します。
たとえば純利益100億円、発行済株式1億株なら EPSは100円。このEPSが年々増えている会社は、「1株あたりの稼ぐ力が伸びている=成長している」と判断できます。株価は長期的にはEPSに連動して動く傾向があり、EPSが右肩上がりの会社は株価も上がりやすいのです。
具体例:EPSの伸びが株価を動かす
ある会社のEPSが3年で100円→120円→150円と伸びたとします。仮にPER(株価収益率)が15倍で一定なら、株価は1,500円→1,800円→2,250円へと上がる計算です。つまりEPSが伸びれば、PERが同じでも株価は自然に上がっていく。これが「EPSが株価の土台」と言われる理由です。


EPSを見るときの3つの注意点
- 1年だけでなく数年の推移で見る:単年の特殊要因(資産売却益など)で増減することがある
- 増資(株数の増加)に注意:株数が増えるとEPSは薄まる(希薄化)。利益が同じでも1株あたりは減る
- 予想EPSも確認:株価は将来の利益を織り込むため、過去より来期予想が重要


実績EPSと予想EPSを使い分ける
EPSには、すでに確定した「実績EPS(過去1年の実績)」と、会社や証券会社が見込む「予想EPS(来期の見通し)」があります。株価は将来を織り込んで動くため、投資家がより重視するのは予想EPSです。決算発表で「来期の予想EPSが上方修正された」となると株価が上がりやすく、「下方修正」だと下がりやすい。ニュースで「業績見通しの修正」が話題になるのは、まさにこのEPSの予想が変わるからなのです。
EPSはどこで確認できる?
EPSは、証券会社のアプリやサイトの「銘柄情報」ページ、会社が発表する「決算short信」、investment情報サイトなどで簡単に確認できます。多くの場合、PERやROEなどの指標と並べて表示されているので、わざわざ自分で計算する必要はありません。大切なのは、表示された数字を見て「この会社のEPSは数年で伸びているか?」「来期の予想は増えているか?」をチェックする習慣を持つこと。数字を眺めるだけで、その会社の”稼ぐ力の方向性”が見えてきます。


結局どうすればいい?
EPSは「会社が1株あたりどれだけ稼いでいるか」という、株式投資の最も基本的な体力測定です。個別株を見るなら、EPSが数年にわたって伸びているかを必ず確認しましょう。ただし1社ずつ分析する手間と、当て続ける難しさを考えると、初心者はインデックス投信で多数の成長企業にまとめて投資するのが現実的で堅実な選択です。インデックスなら、EPSが伸びる優良企業の成長を自動的に取り込めます。

