「これを買えば税金が減りますよ」——決算前の経営者や、所得の高い人がよく持ちかけられるのが、節税目的の投資商品です。航空機・コンテナのリース、足場やドローン、コインランドリー、節税保険……形はさまざま。でも結論から言うと、その多くは「税の繰り延べ(先送り)」にすぎず、出口で結局課税されます。しかも“節税”をエサに、採算の悪い本体(高い手数料・低い利回り・売れない流動性)を覆い隠していることが少なくありません。この記事では、節税目的の投資商品とは何か/なぜやめとけと言われるのか/まっとうな節税の方法まで、独立系FPがフラットに解説します。
- 多くは“税の繰り延べ”:今は減っても出口(売却・満了)で結局課税される
- 節税で本体を隠す:高手数料・低利回り・流動性なしの悪い採算を「節税」で覆う
- 税制改正リスク:過去に否認・規制されたスキームが多い
- 本末転倒も:「赤字を作って節税」は、減る税金より損のほうが大きいことも
先に結論
- ✕節税目的の投資商品は税の繰り延べが中心。出口で課税され、節税効果を差し引くと損なことも
- ✕「節税」は採算の悪い本体を隠すセールストーク。高手数料・流動性なしに注意
- ◎まっとうな節税は制度を使うこと(新NISA・iDeCo・ふるさと納税・各種控除)。資産形成は新NISAで
「節税目的の投資商品」とは?
「税金が減る」を売り文句に販売される投資商品の総称です。主に法人や高所得者がターゲットですが、個人にも勧誘されます。代表的なものは次のとおり。
- オペレーティングリース(航空機・コンテナ・船舶など)……法人の利益繰り延べの定番
- 足場・ドローン・LED・コインランドリーなど……設備の償却を使った節税
- 節税保険(法人の生命保険)……保険料を損金にして利益圧縮
- 中古不動産・中古設備の減価償却を使ったスキーム など
どれも「税金が減る」点だけが強調されがちですが、その裏に共通する落とし穴があります。
節税目的の投資商品が「やめとけ」と言われる4つの理由
① 多くは「税の繰り延べ」|出口で結局課税される
いちばんの誤解がこれ。これらの商品の多くは、税金を「減らす」のではなく「先送り」しているだけです。購入した年は利益を圧縮できても、リース満了や解約・売却の年に利益が戻ってきて課税されます。退職金の支給年にぶつけるなどの“出口戦略”がなければ、結局は同じだけ税金を払うことに。「節税できた」と思っても、トータルでは得していないケースが多いのです。
② “節税”をエサに、採算の悪い本体を隠している
「税金が減る」という言葉のインパクトで、商品そのものの採算の悪さ(高い手数料・低い利回り・売りたくても売れない流動性の低さ)から目をそらさせる——これが典型的な手口です。冷静に「税効果を抜きにして、この投資は儲かるのか?」と考えると、魅力がないものが少なくありません。
③ 税制改正で封じられるリスク
“おいしい節税スキーム”は、たびたび税制改正で規制・否認されてきました。たとえば国外の中古不動産の減価償却を使った節税は、2020年度の改正で個人の損益通算が封じられました。節税保険も国税庁が2019年以降にルールを厳格化。「今は合法でも、あとで否認される」リスクが常につきまといます。
④ 「赤字を作って節税」は本末転倒
そもそも「お金を使って(損して)税金を減らす」のは、多くの場合トータルでマイナスです。100万円使って数十万円の税金が減っても、出ていったお金のほうが大きい。税金を払うのは、それだけ利益が出た証拠。節税のために不要な支出や不利な投資をするのは、目的と手段が逆さまです。


まっとうな節税は「制度を使う」|商品を買わない
節税したいなら、あやしい商品を買う必要はありません。国が用意した正規の制度を使い切るだけで、十分に税負担を減らせます。
| 制度 | 節税の効果 |
|---|---|
| 新NISA | 運用益(普通は約20%課税)がまるごと非課税 |
| iDeCo | 掛金が全額所得控除(所得税・住民税が減る)※受取時は要注意 |
| ふるさと納税 | 実質2,000円で返礼品。住民税・所得税から控除 |
| 医療費控除・各種所得控除 | 払った医療費や保険料などで課税所得を圧縮 |
これらは商品を買うリスクゼロで、確実に効く節税です。あやしい節税商品を検討する前に、まずこの“制度の節税”を使い切りましょう。順番は新NISA → iDeCoが基本です(→iDeCoと新NISA、どっちが先?)。
資産形成は新NISAで
「節税しながら増やしたい」なら、答えはやはり新NISA。運用益が非課税で、低コスト・いつでも換金できます。
- オルカン(全世界株)/S&P500の低コストインデックスを、新NISAで毎月コツコツ
- 節税商品のような出口の課税・流動性リスク・税制改正リスクがない
将来いくらになるかは新NISA積立シミュレーターで試算してみてください。


よくある質問(節税目的の投資商品のFAQ)
結局どうすればいい?
- ✕「これで節税」と売られる投資商品は買わない。多くは繰り延べで、出口で課税される
- ✕「節税」で採算の悪さを隠す手口に注意。税効果を抜いて儲かるかで判断する
- ◎節税は制度を使う(新NISA・iDeCo・ふるさと納税・各種控除)。リスクゼロで確実
- ◎資産形成は新NISAでオルカン/S&P500。運用益非課税・いつでも換金
「税金が減る」の多くは、先送りされているだけ。
節税は“商品を買う”より“制度を使う”が正解です🐾
🐾 「節税になりますよ」と言われたら
FPねこは独立系の現役FP。特定の商品を売り込むことはありません。その節税商品が本当に得か(出口の課税まで含めて)、制度を使った正しい節税は何か、あなたの状況に合わせて無料で相談できます。契約前にぜひご相談を。
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