「プロが厳選して市場平均を上回る運用を目指します」——そう聞くと魅力的に感じるのがアクティブファンドです。でも結論から言うと、初心者が選ぶべきはアクティブファンドではなく、低コストのインデックスファンド。アクティブファンドは信託報酬(手数料)が年1〜2%とインデックスの10倍以上かかるうえ、長い目で見ると大半がインデックスに勝てていないというデータがあるからです。この記事では、なぜ地雷になりやすいのかをやさしく解説します。
- 信託報酬が高い:年1〜2%が普通。インデックス(0.1%前後)の10倍以上のコストが毎年かかる
- 大半がインデックスに勝てない:15年の長期ではおよそ9割のアクティブが市場平均に負けているという調査(SPIVA)
- 勝つファンドを事前に選べない:過去の好成績は将来を保証しない
- コストは“確実なマイナス”:リターンは不確実でも、手数料は必ず引かれる
先に結論
- ✕「プロが運用」「市場平均超え」の言葉だけでアクティブファンドを選ばない。高コストの割に、長期では勝てないことが多い
- ◎初心者の正解はオルカン(全世界株)やS&P500の低コストインデックスファンドを新NISAで積み立てるだけ
- ◎運用で唯一コントロールできるのはコスト。手数料を下げることが、いちばん確実なリターン改善
アクティブファンドとは?インデックスとの違い
投資信託は、運用方針で大きく2種類に分かれます。
| 種類 | めざすもの | 信託報酬(目安) |
|---|---|---|
| インデックスファンド | 市場平均(指数)と同じ値動き | 年0.1%前後 |
| アクティブファンド | プロが銘柄を選び、市場平均を上回ることを目指す | 年1〜2% |
一見、アクティブのほうが「プロが頑張ってくれる分、有利」に見えます。でも、その“頑張り”には高い信託報酬というコストがかかり、しかも市場平均を上回れる保証はどこにもないのがポイントです。
なぜ「お金の地雷」になりやすいのか|3つの理由
① 信託報酬が高い(コストは確実なマイナス)
アクティブファンドの信託報酬は年1〜2%が一般的。インデックス(0.1%前後)と比べると10倍以上のコストが、運用がうまくいってもいかなくても毎年確実に引かれます。たとえばコスト差が年1.5%あると、30年の長期運用では最終資産に数百万円規模の差がつくことも。リターンは不確実でも、コストは確実なマイナス。だからこそ「手数料を下げること」が、最も確実なリターン改善策なのです。
下のリンク先(楽天証券のファンドページ)で、それぞれの「信託報酬(運用管理費用)」の数字を確認してみてください。同じ「投資信託」でも、コストにこれだけ差があります。
- 人気のアクティブファンド①:アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし) … 信託報酬 年約1.727%
- 人気のアクティブファンド②:ひふみプラス … 信託報酬 年約1.078%
- 人気のアクティブファンド③:netWIN GSテクノロジー株式ファンドBコース(為替ヘッジなし) … 信託報酬 年約2.09%
- 低コスト指数①:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)=オルカン … 信託報酬 年約0.05775%
- 低コスト指数②:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) … 信託報酬 年約0.09372%
② 長期では大半がインデックスに勝てない
「プロが運用するなら勝てるのでは?」と思うかもしれません。ところが長期間で見ると、大半のアクティブファンドが市場平均(インデックス)に負けているという調査結果が、世界中で繰り返し報告されています。代表的なのが、指数を運営するS&Pダウ・ジョーンズの「SPIVA」という調査。これによると、15年という長期で見ると、およそ9割(米国の大型株ではおよそ90%超)のアクティブファンドがインデックスに負けているという結果が、毎年のように示されています。
理由はシンプルで、高い信託報酬がリターンを毎年削るから。プロの腕で多少上回っても、コスト分のハンデを長期で取り返すのは簡単ではないのです。しかも期間が長くなるほど、負ける割合は増える傾向——つまり、長く積み立てるほどインデックスの優位がはっきりしてきます。
③ 勝つファンドを“事前に”選ぶのは難しい
「勝っているアクティブファンドもあるじゃないか」——確かにあります。問題は、これから勝つファンドを事前に見抜くのがほぼ不可能なこと。過去に好成績でも、将来も勝ち続ける保証はありません(むしろ好成績は長続きしにくい)。ランキング上位を追いかけて乗り換えるほど、手数料がかさんで成績は悪化しがちです。


例外的に検討の余地があるケースは?
アクティブファンドの全部が「絶対ダメ」というわけではありません。低コスト(信託報酬が十分に低い)で、明確な戦略があり、長期で実績を出している一部のファンドは、中上級者が資産の一部で持つ選択肢になり得ます。ただし、これは自分でコストと中身を評価できる人向けの話。初心者がまず選ぶべきは、シンプルで低コストなインデックス一択で十分です。土台ができてから、必要を感じたときに検討すれば遅くありません。


すでにアクティブファンドを持っている人はどうする?
すでに保有している場合は、次を確認しましょう。
- その信託報酬が何%かを確認(1%を大きく超えるなら見直し候補)
- 同じ資産クラスのインデックスファンドと、過去5〜10年の成績を比較する
- NISA口座内なら売却益は非課税。低コストのインデックスへ乗り換えを検討
- 課税口座の場合は、売却時の税金も考慮して切り替えのタイミングを判断
「なんとなく銀行や証券の窓口で勧められて買った」という場合は、まずコストと中身を見直すこと。販売側に有利な(手数料の高い)商品を勧められていることが少なくありません。
結局どうすればいい?
- ✕「プロが運用」「市場平均超え」だけでアクティブファンドを選ばない。高コストで長期では勝ちにくい
- ◎初心者はオルカン・S&P500の低コストインデックスを新NISAで積み立てるのが王道
- ◎持っているなら信託報酬を確認し、高ければインデックスへ乗り換えを検討
「プロが運用」の言葉より、まず信託報酬の数字を見ましょう。
コストを下げることが、いちばん確実なリターン改善です!
🐾 「持っている投資信託、続けて大丈夫?」と迷ったら
FPねこは独立系の現役FP。特定の金融商品を売り込むことはありません。今ある投資信託のコストや乗り換えの判断を、あなたの状況に合わせて無料で相談できます。
📋 ほかの「お金の地雷」もチェック
⚠️ あわせて読みたい:買ってはいけない「お金の地雷」

