火災保険は、多くの人が「住宅ローンを組むときや引っ越しのときに言われるまま入って、あとは放置」になりがちな保険です。でも補償の中身を見直すと、保険料が大きく下がることがあります。この記事は、独立系FPである管理人が実際に火災保険を乗り換えた実話。5年で約11.3万円だった保険料を、約2.06万円まで下げたときの考え方・手順を、実際の見積り画面つきで公開します。ポイントは「必要な補償だけに絞る」ことと「免責金額を上手に使う」こと。ただし補償を削るということは、そのリスクを自分の貯金で持つということでもあります。あなたにとっての最適解を考える材料としてお読みください🐾
先に結論
- ◎火災保険は数年ごとに見直す価値が大きい。必要な補償だけに絞れば保険料は大きく下がります(管理人は5年で約11.3万→約2.06万円=約9.2万円の削減)。長期一括払いでも途中解約で未経過分の保険料が戻るので、いつでも乗り換えられます
- △「なぜ安くなったのか」を理解することが大事。今回の削減の大半は水災・家財・破損汚損などを外し、免責金額を30万円に上げたから。補償を削る=そのリスクを自分の貯金で持つということです。外す前にハザードマップと自分の貯蓄額を必ず確認しましょう
- △手順はシンプル。価格.comでざっくり比較→各社サイトで詳細見積り→契約の順。ただし新契約の始期を先に決めてから旧契約を解約して無保険期間を作らないこと、住宅ローンの質権設定があれば金融機関に確認することだけ注意してください
① なぜ火災保険は「見直す価値」が大きいのか
火災保険は、次の3つの理由で“入りっぱなし”が損につながりやすい保険です。
- 契約が長く、内容を忘れがち…火災保険は最長5年契約(2022年10月以降、最長10年から5年に短縮)。長いあいだ内容を見直さず、過剰な補償のまま払い続けている人がとても多いです
- 途中解約で“未経過分”が戻る…長期一括払いでも、解約すれば残り期間分の保険料が解約返戻金として戻ります。つまり満期を待たず、いつでも乗り換えられるということ
- 補償が“重複・過剰”になりやすい…水災・家財・破損汚損・地震など、本当に必要かを立地や資産で判断せず、フルパッケージで入っているケースが多い。ここを削れると保険料は大きく下がります
つまり火災保険は、一度きちんと中身を見直すだけで“払いすぎ”を止められる可能性が高い保険なのです🐾
💡 とくにマイホーム購入時の「提携火災保険」は、不要な補償がついたまま契約しているケースが多いです。理由はシンプルで、多くが対面(不動産会社や銀行の窓口)で契約するから。「免責は◯万円で」「この補償は外して」「これは必須?オプション?」「水災って本当に必要?」と一つひとつ要望を出すのが、面倒だったり気後れしたりして、結局すすめられるまま“フルパッケージ”で契約——という人が本当に多いのです。ネット型なら誰にも気をつかわず、自分のペースで補償や免責を取捨選択できるのが大きな利点です。
② 実例:5年で約11.3万円→約2.06万円になった
ここからは管理人の実際の乗り換えです。もともとは東京海上日動の「すまいの保険」で、5年一括の合計保険料は約113,010円でした。

これを、必要な補償だけに絞ってジェイアイ傷害火災に乗り換えたところ、5年一括で約20,686円に。5年で約9.2万円の削減です。

▲ 5年一括払いの合計保険料。乗り換え前(東京海上日動)は約11.3万円、乗り換え後(ジェイアイ傷害火災)は約2.06万円で、5年で約9.2万円の削減になりました。ただし、この差の大半は「不要な補償を外した+免責金額を高く設定した」ことによるもので、同じ補償内容で会社を替えただけでこの差が出るわけではありません。まず“必要な補償は何か”を決めるのが先です。
正直にお伝えすると、この差の大半は「東京海上が高くてジェイアイが安い」という会社間の価格差だけではありません。水災や家財などの補償を外し、免責金額を30万円に設定した——つまり補償の中身を大きく変えたことによる差です。次章で「何を残し、何を外したか」を具体的に見ていきます。
③ 何を残し、何を外したか|補償の取捨選択
私が実際に選んだ補償は次のとおりです。「残す=どうしても貯金で賄えない大損害」「外す=貯金で対応できる or 立地的にリスクが低い」という基準で判断しました。
| 補償 | 私の選択 | 理由・考え方 |
|---|---|---|
| 火災・落雷・ 破裂・爆発 |
◎残す (必須) |
火災保険の“中核”。ここは外せません |
| 風災・ひょう災・ 雪災 |
◎残す | 台風・強風・大雪は全国どこでも起こりうる。数千円で付くので残しました |
| 水災 | ✕外す | ハザードマップで浸水・土砂リスクが低い立地と判断したため。※低地・川近く・埋立地・傾斜地は必須級 |
| 盗難・物体飛来・ 水ぬれ・騒じょう |
✕外す | 主に家財向けの補償。家財保険を付けず、この範囲は貯金で対応と判断 |
| 破損・汚損 | ✕外す | 「うっかり壊した」系の少額損害。保険料が上がるわりに使う場面が限定的なので貯金で対応 |
| 家財保険 | ✕付けない | 高額な家財が少なく、買い直せる範囲。貯金で備える方針(高額家財が多い人は付ける判断も) |
| 地震保険 | ✕付けない | 保険金が火災保険金額の最大50%まで等、使いこなしが難しいと判断(※地震リスクが高い地域・ローン残債が大きい人は要検討) |
| 免責金額 (自己負担) |
30万円 に設定 |
数十万円の小損害は貯金で対応、数百万円の大損害だけ保険に。免責を上げるほど保険料は下がる(※貯蓄が薄い人は免責0円〜低めが安心) |
ポイントは「水災」です。私は自治体のハザードマップで浸水・土砂災害のリスクが低い立地と確認できたので外しました。ただし、近年はゲリラ豪雨による内水氾濫(下水があふれる浸水)も増えています。低地・河川や海の近く・埋立地・傾斜地の人は、水災は“必須級”だと考えてください。外す前に、ハザードマップと過去の浸水履歴を必ず確認しましょう。
家財・破損汚損・地震を外したのも、「自分の貯金で対応できる範囲」だと判断したから。高額な家財が多い人、貯蓄が薄い人、地震リスクが高い地域の人は、残す判断も十分に合理的です。あくまで“私の場合”の最適解だとご理解ください🐾
✅ 逆に「これは付けておいてよい」と思う特約が2つあります。どちらも保険料が安いわりに“もしも”のダメージが大きい=コスパが良いタイプです。
・個人賠償責任特約(最低でも1億円、できれば無制限)…自転車事故で相手にケガをさせた、水漏れで階下を傷つけた等、日常生活で他人に負わせた賠償をカバー。数億円の賠償命令の例もあり、月数十〜百円台で1億円備えられるのは破格です。
・弁護士費用特約…もらい事故など自分に過失がなく相手と交渉が必要なときの弁護士費用・相談料をカバー。
⚠️ ただし最重要の注意点:この2つは自動車保険や傷害保険、クレジットカードにすでに付いていることが多いです。二重に入っても保険金が倍もらえるわけではない(実損てん補)ので、火災保険で付ける前に、今の自動車保険などの証券を必ず確認して重複を避けましょう🐾
④ 免責金額の考え方|大損害だけに備える
今回いちばん効いたのが免責金額(自己負担額)を30万円に設定したことです。免責金額とは、損害のうち自分で負担する金額のこと。これを高くするほど、保険会社が払う場面が減るので保険料が下がります。
- 数十万円の小損害…免責30万円なら自己負担(=貯金で対応)。そのぶん保険料を安くできる
- 数百万円の大損害…ここだけ保険でカバー。貯金では耐えられない“本当に困るリスク”に保険を集中させる
私はもともとの東京海上の契約で「免責金額を設定できない・少額しか選べない項目」があるのが気になっていました。免責金額を自分の思いどおり(30万円)に設定できるようになっただけでも、乗り換えたメリットは大きかったと感じています。浮いた保険料は貯金に回し、小さな損害はそこから出す——このスタイルが私には合っていました。ただし貯蓄が薄い人が免責を上げすぎると、いざというとき自腹がきついので、免責は「無理なく自己負担できる額」までにしましょう。
⑤ 乗り換えの手順|価格.com→各社見積り→契約
実際の乗り換えは、次の3ステップで進めました。難しくありません。
| STEP | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 価格.comでざっくり比較 (hoken.kakaku.com/kasai) |
建物金額・築年数・補償内容を入れて概算を「安い順」に。候補を数社に絞る |
| 2 | 各社サイトで詳細見積り | 住所・構造・面積などを入力して正式な保険料を確認。補償・免責を微調整して比べる |
| 3 | 契約する | 新契約の始期を先に確定→旧契約を解約(無保険期間を作らない)。長期一括払いは未経過分が戻る |
まずは価格.comの火災保険比較(hoken.kakaku.com/kasai)で、補償内容を入れて「保険料の安い順」にざっくり並べるのがおすすめ。候補を数社に絞ったら、各保険会社の公式サイトで正式な見積りを取り、補償・免責を微調整して比べます。

契約で唯一気をつけたいのが「無保険期間を作らないこと」。新しい契約の始期(保険が始まる日)を先に確定させてから、今の契約を解約してください。順番を逆にすると、数日でも保険が切れた“空白”が生まれてしまいます。また、住宅ローンを組んでいて火災保険に質権が設定されている場合は、乗り換え前に金融機関へ確認しましょう🐾
⑥ ぼやき:類焼損害補償特約について
最後に、これは管理人の個人的な考え(ぼやき)です。「類焼損害補償特約」——自分の家が火元になって隣家に燃え移ったとき、隣家の再建費用を補償する特約——を、私は真っ先に外しました。
理由は「失火責任法」という日本独自の法律があるから。これは、軽い不注意(軽過失)による失火で隣家を燃やしても、法律上は損害賠償責任を負わないという内容です(=隣家は自分の火災保険で直すのが原則)。だから「隣家への賠償に備える」類焼損害補償の“法的な必要性”は、日本では低いと私は考えています。
⚠️ ただしフェアに補足すると——①「重過失」(天ぷら油を火にかけたまま長時間放置した等)の失火は、失火責任法の保護外で賠償責任を負うことがあります。②隣家が火災保険に未加入・不足のとき、道義的に補償してあげたいという人には意味のある特約です。なので「絶対に不要」ではなく、考え方次第。私は上記の理由で外した、というだけの話です。失火責任法や“もらい火”のしくみは、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
- 火災保険は見直す価値が大きい。管理人は必要な補償に絞って5年で約11.3万→約2.06万円(約9.2万円の削減)。長期一括払いでも途中解約で未経過分が戻る=いつでも乗り換え可
- 安くなった主因は「不要な補償を外した+免責30万円」。会社を替えただけではない。補償を削る=そのリスクを貯金で持つということ。水災はハザードマップ、家財・地震は資産と立地で判断を
- 手順は価格.com→各社見積り→契約。新契約の始期を先に決めて無保険期間を作らない/ローンの質権設定は金融機関へ確認。最適な補償は人それぞれなので、最終判断はご自身で(不安なら代理店・保険会社へ)
よくある質問(FAQ)










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※本記事は2026年7月時点の管理人個人の実体験に基づく一般的な情報提供であり、特定の保険会社・商品の推奨や勧誘、契約の可否・有利不利を保証するものではありません。掲載した保険料(東京海上日動「すまいの保険」5年一括の合計保険料 約113,010円、ジェイアイ傷害火災 5年一括 約20,686円)・補償内容・免責金額(30万円)・削減額(約9.2万円/5年)は、管理人の建物条件・立地・契約時点での実際の見積り/契約に基づく個別の数値であり、建物の構造・所在地・保険金額・築年数・補償や免責の選び方・保険料率の改定等により、実際の保険料や最適な補償は大きく異なります。水災・家財・破損汚損・地震保険・各種特約を外すか否かの判断は、ハザードマップ・過去の被災履歴・保有資産・貯蓄額・リスク許容度によって最適解が変わります(とくに浸水・土砂災害リスクの高い立地では水災補償は重要です)。失火責任法・重過失・類焼損害補償の解釈、住宅ローンの質権設定に関する取扱いは、個別の事情や契約により異なります。乗り換えの際は無保険期間が生じないようご注意のうえ、最終的な補償設計・契約判断は、各保険会社・代理店の説明や約款、必要に応じて専門家の助言をご確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。

