もう少し詳しく
ロスカットとは
ロスカット(Loss Cut)とは、FX取引において、保有ポジションの含み損が拡大し、証拠金維持率が一定水準を下回った時に、強制的にポジションを決済する仕組みのことです。投資家の損失拡大を防ぐ「最後の防衛線」として機能します。
ロスカットの仕組み
1. FXポジション保有中に含み損発生
2. 証拠金維持率が業者の定める基準を下回る
3. 業者のシステムが自動的にポジション決済
4. 損失確定、残った証拠金は口座に残る
ロスカット水準
主な業者のロスカット基準:
### GMOクリック証券
- ロスカット:証拠金維持率50%以下
- アラート:80%以下
### DMM FX
- ロスカット:証拠金維持率50%以下
- アラート:100%以下
### 外為どっとコム
- ロスカット:証拠金維持率100%以下
- アラート:100%以下
### マネーパートナーズ
- ロスカット:証拠金維持率100%以下
ロスカットの計算例
### 設定
- 米ドル/円150円で1万通貨買い
- 証拠金維持率50%でロスカット
- 必要証拠金:6万円
- 入金額:10万円
### ロスカット発動
- 含み損が口座残高を圧迫
- 証拠金維持率=(入金額−含み損)÷必要証拠金×100
- 含み損7万円で維持率50%
- 自動ロスカット発動
ロスカットの注意点
### 想定通り発動しないリスク
- 相場急変時の約定遅延
- スプレッド拡大
- システム障害
- 想定外の価格で約定
### ロスカット後も借金になることが
- 急変動で約定価格が想定外
- 「証拠金残額がマイナス」
- 借金として残る
### スイスショック(2015年)の事例
- スイスフラン1日30%急変動
- 多数の業者でロスカット遅延
- 顧客に借金請求した業者も
ロスカットを回避するには
### 余裕証拠金
- 必要証拠金の3倍以上を入金
- 維持率200%以上を維持
### レバレッジを抑える
- 規制上限25倍ではなく10倍以下
- 余裕を持った取引
### ストップロス活用
- ロスカット前に自主損切り
- 逆指値注文の徹底
### ポジション分散
- 1取引に集中させない
- リスク分散
ロスカット vs ストップロス
| 項目 | ロスカット | ストップロス |
|—|—|—|
| 発動主体 | 業者システム | 投資家自身 |
| タイミング | 維持率低下時 | 事前設定価格 |
| 心理 | 受動的(強制) | 能動的(計画的) |
| コントロール | 業者次第 | 自分次第 |
FPねこの視点
ロスカットは「FX投資の安全装置」ですが、相場急変時には機能しないこともあります。ロスカット任せにせず、自分でストップロスを設定する習慣が重要。長期インデックス投資には全く関係ない概念ですが、FXを始めるなら最も理解すべき仕組みと言えるでしょう。
具体例
例えば、米ドル/円150円で1万通貨買い建てして10万円入金。140円まで急落するとロスカット発動。10万円−10万円損失=口座残高ゼロに。さらに急変動でマイナスになる可能性もあります。
よくある誤解
「ロスカットがあるから安全」と思われがちですが、相場急変時には機能不全になることがあります。スイスショックでは多くの個人投資家がロスカット遅延で借金を抱えました。