車検中の代車で事故を起こしたらどうなる?|多くは自分の「他車運転特約」で補償されます|ただし車両保険を外している人は代車の修理代が出ない点を独立系FPが解説【2026年】

保険
★ 代車の事故は、多くの場合あなたの保険で補償されます。ほとんどの個人契約に「他車運転危険補償特約」が自動セットされているからです。ただし注意が2つ。まず代車についている保険を使うのが原則で、自分の特約を使うと3等級ダウン。そして代車の修理代は、自分の契約に車両保険がある場合しか出ません
車検で愛車を預けて、借りた代車。自分の車じゃないから保険もないのでは——と不安になりますが、心配しすぎなくて大丈夫です。相手へのケガ・モノの賠償は、あなたの保険がそのまま使えるのがふつうです。
本当に気をつけるのは「代車そのものを壊したとき」。ここだけは条件つきです🐾

車検や修理のあいだ、整備工場やディーラーが貸してくれる代車。乗り慣れない車で、いつもと違う車幅感覚。「もしぶつけたらどうなるんだろう」と、ハンドルを握りながら思ったことはありませんか。
結論から言うと、多くの場合はあなたの自動車保険で対応できます。ただし知らないと困る点が2つあります。使う順番と、代車自体の修理代です。
この記事では、何が補償されて何が補償されないのかを整理し、カギを受け取る前に確認すべきことまでお伝えします。
レンタカーは保険の仕組みが違います(→レンタカーで「保険はいりますか?」と聞かれたら)🐾

先に結論

  • まず安心してください。多くの個人契約には「他車運転危険補償特約」が自動セットされています。臨時に借りた自家用車での事故は、自分の契約と同じ条件で対人・対物が使えます(名称は保険会社により異なります)
  • ただし順番があります。自動車保険は「車」に付けるのが基本なので、まず代車についている保険を使うのが原則自分の特約を使うと3等級ダウンで、翌年からの保険料が上がります
  • 最大の落とし穴は「代車の修理代」。他車運転特約で借りた車の車両損害が出るのは、自分の契約に車両保険がセットされていて、その条件で支払える事故に限る——車両保険を外している人は出ません
  • 対象外のケースもあります自分や配偶者・同居の親族が所有または常時使用している車は対象外。「臨時に借りた」ことが条件なので、長期間ずっと借りっぱなしだと扱いが変わる可能性があります
  • やることはひとつ。カギを受け取る前に聞く「この代車、保険はどうなっていますか?」——これだけで、事故のあとの不安がほとんど消えます🐾

① まず結論:あなたの保険が使えます

自動車保険には「他車運転危険補償特約(他車運転特約)」という特約があります。名称は保険会社によって少し違いますが、ほとんどの個人向け自動車保険に、追加保険料なしで自動セットされています。

項目内容(一般的な例)
どんな特約か臨時に借りた他人の車を運転中の事故を、自分の契約と同じ条件で補償する特約
付帯個人契約には自動セットされるのが一般的(法人契約やバイク保険には付かないことが多い)
対象の車自家用8車種(自家用普通乗用車・小型乗用車・軽四輪乗用車など)。代車は通常これに当てはまります
使ったときの等級自分の車で事故を起こした場合と同じ扱い=一般に3等級ダウン

つまり「代車だから無保険」ということは、基本的にありません。まずここは安心してください🐾

② 補償はこの順番で使われます

代車で事故──補償はこの順番で見ます
代車で事故を起こしたら、この順番で見ていきます①代車についている保険整備工場が加入しているもの原則こちらが先②自分の他車運転特約ほとんどの個人契約に自動セット使うと3等級ダウン③それでも足りない分自腹貯金で払えるかまず整備工場に「この代車、保険はどうなっていますか?」と聞くのが最初②を使うと自分の等級が3つ下がり、翌年からの保険料が上がります

※自動車保険は「人」ではなく「車」に付ける保険が基本のため、借りた車に保険が付いていれば、まずそちらを使うのが原則的な流れです。自分の他車運転特約を使った場合、等級は自分の車で事故を起こしたときと同じ扱いとなり、一般に3等級ダウン事故になります。実際にどちらから使うかは事故の内容・過失割合・保険会社の判断によりますので、事故後はまず双方の保険会社に連絡してください。

ポイントは自動車保険が「車」に付ける保険だということ。代車にも保険がかかっているのがふつうで、まずそちらを使うのが原則です。

なぜ順番が大事なのか

自分の特約を使うと、翌年から保険料が上がるから

他車運転特約を使うと、等級は自分の車で事故を起こしたときと同じ扱いになります。一般に3等級ダウン翌年からの保険料が上がり、その影響は数年続きます
一方、代車側の保険で処理できるなら、あなたの等級は下がりません
だから事故のあと最初にやるのは、整備工場と自分の保険会社の両方に連絡して、どちらで対応するか確認すること自分で判断して片方だけに連絡しないことが大事です🐾

③【本題】代車を壊したときが、いちばん問題です

ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。

他車運転特約で「出るもの」と「出ないもの」
他車運転特約で、何が出て何が出ないのか相手のケガ(対人賠償)自分の契約と同じ条件で出る相手のモノ(対物賠償)自分の契約と同じ条件で出る自分や同乗者のケガ人身傷害をつけていれば出る借りた代車の修理代自分の契約に車両保険がある場合のみ条件つき★ 車両保険を外している人は、代車を壊しても修理代は出ません

※他車運転危険補償特約は、多くの個人向け自動車保険に自動セットされています(名称は保険会社により異なり、法人契約やバイク保険には付かないのが一般的です)。補償は「自分の契約にセットされている補償の条件に従って」支払われるため、自分が付けていない補償は、借りた車でも使えません。とくに借りた車の車両損害は、自分の契約に車両保険があり、かつその車両保険で支払える事故である場合に限られ、対物賠償の保険金額が限度となります。

相手への賠償(対人・対物)は、自分の契約と同じ条件で出ます。ここは問題ありません。
問題は借りた代車そのものの修理代。他車運転特約でこれが出るのは、自分の契約に車両保険がセットされていて、かつその車両保険で支払える事故である場合に限られます(さらに対物賠償の保険金額が限度となるのが一般的です)。

当サイトは「車両保険は原則いらない(貯金で払える損は自己保険)」という立場です(→自動車保険の選び方)。
その考え方に沿って車両保険を外している方は、代車を壊しても、他車運転特約からは修理代が出ません。これは正直にお伝えしておかなければならない点です。
ではこの結論を変えるべきか——当サイトは変えていません。理由は次のとおりです🐾

考え方中身
代車は高額車ではないことが多い代車は軽自動車やコンパクトカー、年式の古い車が中心です。全損でも数十万円規模で、新車を賠償する話にはなりにくい
そもそも代車側の保険が先代車に車両保険が付いていれば、そちらで処理できます。だから借りる前に確認することがそのまま対策になります
車両保険は毎年払い続けるもの年に数万円を何年も払い続けるのと、代車を壊す確率とその金額を比べる話です。貯金で払えるなら自己保険という原則は変わりません
ただし例外はあります貯金が十分でない方、代車が高額な車だった場合は話が別。そのときは代車を辞退して、公共交通やレンタカーにするのも立派な判断です

④ 対象外になるケースに注意

他車運転特約は「臨時に借りた」車が対象です。次のようなケースは対象外になるのが一般的なので気をつけてください。

  • 自分・配偶者・同居の親族が所有している車…家族の車を借りて運転する場合はこの特約の対象外です(その車自身の保険で対応します)
  • 常時使用している車「臨時」であることが条件です。日常的に使っている車は対象外とされます
  • 役員を務める法人が所有する車…対象外とされるのが一般的です
  • 自家用8車種以外…事業用の車や特殊な車両は対象外になることがあります

意外な盲点:長期間の代車です。修理が長引いて代車を何か月も借りっぱなしになると、「臨時に借りた車」ではなく「常時使用している車」と見られる可能性があります。
数日〜数週間の車検代車なら通常は問題ありませんが、長期になりそうなときは、自分の保険会社に一度確認しておくと安心です。判断が分かれる論点は、事故の前に聞いておくのが鉄則です🐾

⑤ カギを受け取る前に、これだけ確認

カギを受け取る前に確認する5つ
代車のカギを受け取る前に、この5つ1この代車に自動車保険は付いていますか?2対人・対物は無制限ですか?3車両保険は付いていますか?免責はいくらですか?4借用書に「修理費は全額負担」と書かれていませんか?5(自分の証券)他車運転特約と車両保険はありますか?聞きにくくても、事故のあとに聞くよりずっと楽です

※とくに4番は重要です。代車の借用書に「事故の場合の修理費は借主が全額負担する」といった条項が入っていることがあります。署名する前に読み、分からない点はその場で質問してください。5番は事前に自分の保険証券やマイページで確認しておけば、当日その場で悩まずに済みます。

気まずいと感じる必要はありません。整備工場側もトラブルは避けたいので、聞かれれば普通に答えてくれます。むしろ何も確認せずに借りて、事故のあとで揉めるほうがお互いに不幸です。

とくに4番の借用書は要注意。「事故の場合、修理費は借主が全額負担する」といった条項が入っていることがあります。署名する前に読む——これは代車に限らず、あらゆる契約の基本です(→その場でサインしないルール)🐾

⑥ もし事故を起こしてしまったら

順番やること
1ケガ人の確認と救護。まずこれ。動かせない場合は無理に動かさず救急へ
2警察へ連絡。物損でも必ず。事故証明がないと保険の手続きが進みません
3整備工場(代車の持ち主)へ連絡代車の保険がどうなっているかをここで確認します
4自分の保険会社へ連絡「代車で事故を起こした」と正確に伝えること。他車運転特約の適用可否を確認してもらいます
5相手の情報と現場の記録。氏名・連絡先・車のナンバー・保険会社。写真も撮っておきます(→事故直後にやる手順
6その場で示談しない。金額や過失割合をその場で決めないこと。過失がゼロだと自分の保険会社は交渉できません(→0対100の記事
FPねこ

そもそも自動車保険、正しく入れていますか?

対人対物「無制限」+弁護士費用+個人賠償だけでいい理由を解説しています。

自動車保険の入り方・選び方 →

よくある質問(猫がお答えします)

質問
代車で事故ったら、まずどこに電話すればいい?
順番は「警察 → 整備工場 → 自分の保険会社」にゃ。ケガ人がいたら救急が最優先にゃ。
整備工場に先に連絡するのは、代車の保険がどうなっているかを確認するためにゃ。自動車保険は「車」に付ける保険だから、代車についている保険を先に使うのが原則にゃ。
そのうえで自分の保険会社にも必ず連絡にゃ。このとき「代車で事故を起こした」と正確に伝えるにゃ。自分の車の事故だと思われると話がこじれるにゃ。
気まずくても黙っているのが一番ダメにゃ。物損でも警察を呼ばないと事故証明が出ず、保険の手続きが止まるにゃ🐾
FPねこ
質問
車両保険を外してるんだけど、代車を壊したら全額自腹?
他車運転特約からは出ないにゃ。でも順番を思い出してにゃ。他車運転特約で借りた車の修理代が出るのは、自分の契約に車両保険がセットされていて、その条件で支払える事故に限るにゃ。だから車両保険を外していると、この特約からは出ないにゃ。
ただし先に見るのは代車側の保険にゃ。代車に車両保険が付いていれば、そちらで処理できるにゃ。だから借りる前に確認しておくのがそのまま対策になるにゃ。
それでも出ない場合は自腹にゃ。でも代車は軽やコンパクト、年式の古い車が多いから、金額は数十万円規模に収まりやすいにゃ。貯金で払える損は自己保険——この原則は変わらないにゃ🐾
FPねこ
質問
親の車を借りて事故ったときも、他車運転特約は使える?
同居している親の車なら、使えないのがふつうにゃ。他車運転特約の対象外に「記名被保険者・その配偶者・これらの同居の親族が所有または常時使用する車」が入っているからにゃ。
この場合はその車自体にかかっている保険で対応するにゃ。だから親の保険の「運転者の範囲」がどうなっているかが決定的にゃ。「本人・配偶者限定」になっていると、子どもが運転した事故は出ないにゃ。
ここは事故が起きてからでは遅いにゃ。家族の車を運転する予定があるなら、その車の運転者範囲を先に確認にゃ。
ちなみに別居している親の車なら他車運転特約の対象になりうるにゃ。同居か別居かで変わるにゃ🐾
FPねこ
質問
修理が長引いて代車を3か月借りてる。これって大丈夫?
そこは確認したほうがいいにゃ。グレーになりうるにゃ。他車運転特約は「臨時に借りた車」が対象にゃ。逆に「常時使用している車」は対象外にゃ。
数日〜数週間の車検代車なら、まず問題にならないにゃ。でも何か月も借りっぱなしだと、「臨時」と言えるかどうかの判断が出てくる可能性があるにゃ。
だから長期になりそうなら、自分の保険会社に電話して「代車を◯か月借りる予定だが、他車運転特約の対象になるか」と聞いておくにゃ。5分で終わるにゃ。
判断が分かれそうな論点は、事故の前に確認する——これが保険の鉄則にゃ🐾
FPねこ
質問
心配だから、代車を断って自分でレンタカーを借りるのはアリ?
アリにゃ。とくに代車が高そうな車だったり、貯金が薄いときは合理的にゃ。レンタカーは基本料金に対人・対物無制限の保険が最初から含まれているのがふつうにゃ。だから補償の中身がはっきりしているのが強みにゃ。
ただし免責額とNOC(休車補償)という別の論点が出てくるにゃ。そこは別記事で詳しく書いたから読んでみてにゃ。
あとはそもそも代車が要るのかも考えていいにゃ。数日なら公共交通で足りることも多いにゃ。車は持っているだけでお金がかかるから、この機会に「本当に毎日必要か」を考えるのもアリにゃ🐾
FPねこ

まとめ

  • 代車の事故は、多くの場合あなたの保険で対応できます他車運転危険補償特約がほとんどの個人契約に自動セットされており、臨時に借りた自家用車での事故を、自分の契約と同じ条件で補償します
  • 順番は「代車の保険 → 自分の他車運転特約 → 自腹」。自動車保険は車に付けるのが基本だからです。自分の特約を使うと3等級ダウンし、翌年からの保険料が上がります
  • 最大の落とし穴は代車の修理代。他車運転特約で出るのは自分の契約に車両保険がある場合に限られます車両保険を外している人は出ません——ただし代車側の保険が先なので、確認がそのまま対策になります
  • 対象外に注意自分や配偶者・同居の親族が所有・常時使用する車は対象外。長期間の借りっぱなしも「臨時」と言えなくなる可能性があります
  • やることはひとつだけカギを受け取る前に「この代車、保険はどうなっていますか?」と聞く借用書に全額負担の条項がないかも確認してください🐾

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※本記事は2026年8月時点の一般的な情報提供・考え方の解説であり、保険の募集・媒介・勧誘を行うものではなく、特定の保険商品・保険会社・整備事業者への加入や利用を推奨・保証するものでもありません。当サイトは保険の販売・媒介を行っていません。他車運転危険補償特約(他車運転特約)に関する記述(多くの個人向け自動車保険に自動セットされること、対象が臨時に借りた自家用8車種であること、記名被保険者・その配偶者・これらの同居の親族が所有または常時使用する自動車や、被保険者が役員となっている法人所有の自動車が対象外となること、借りた自動車の車両損害は自身の契約に車両保険がセットされておりその車両保険で保険金を支払える事故である場合に限り対物賠償保険の保険金額を限度に支払われること、使用した場合に一般に3等級ダウン事故となること等)は、損害保険各社が公表する一般的な内容の概要です。特約の名称・自動セットの有無・補償範囲・支払要件・免責事由・等級の取扱いは保険会社および契約内容によって異なり、改定される場合もあります。臨時代替自動車補償特約についても、個人契約に自動セットされる会社と、法人契約のみを対象とする会社があるなど取扱いが分かれます。実際の補償の可否および支払額は、ご契約の約款によって定まります。補償の使用順序に関する記述は一般的な考え方であり、実際にどの保険から支払われるかは事故の内容・過失割合・関係当事者の契約内容および保険会社の判断によります。代車の借用にあたっての条件(借用書の内容、事故時の費用負担、免責額等)は事業者ごとに異なります。事故が発生した場合は、警察への届出を行ったうえで、代車の貸主および契約中の保険会社に速やかにご連絡ください。ご自身の補償内容については、必ず保険証券・約款をご確認いただくか、保険会社または有資格の担当者にご相談のうえ、ご自身の判断で対応してください。

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