もう少し詳しく
プットオプションとは
プットオプション(Put Option)とは、将来の特定日(満期日)に特定の価格(権利行使価格)で原資産を売る「権利」を取引する金融商品のことです。原資産の価格下落を予想する時、または保有資産の下落リスクをヘッジする時に活用されます。
プットオプションの仕組み
- 買い手:プレミアムを支払い、売る権利を取得
- 売り手:プレミアムを受け取り、売る権利を売る
- 満期日:権利を行使するか、放棄するかを選択
プットオプションの損益
### 買い手の損益
- 原資産価格 < 権利行使価格−プレミアム → 利益
- 原資産価格 > 権利行使価格 → 権利放棄、プレミアム分の損失
- 損失はプレミアムが上限
- 利益は権利行使価格−プレミアムが上限(原資産価格がゼロの場合)
### 売り手の損益
- 原資産価格 > 権利行使価格 → 権利放棄、プレミアム分の利益
- 原資産価格 < 権利行使価格−プレミアム → 損失
- 利益はプレミアムが上限
- 損失は権利行使価格−プレミアムが上限
プットオプションの例
日経225プット(権利行使価格33,000円、満期1か月)をプレミアム500円で買い:
| 満期時日経平均 | 損益 |
|—|—|
| 34,000円 | −500円(権利放棄) |
| 33,000円 | −500円(権利放棄) |
| 32,500円 | 0円(損益分岐点) |
| 32,000円 | +500円 |
| 31,000円 | +1,500円 |
プットオプションの活用法
### 投機
- 下落期待で買い
- 少額で大きな利益狙い
### ヘッジ(保険)
- 保有株のプットを買い、下落リスク対策
- 保有株が下落しても、プットで補填
### プット売り戦略
- 下落しない予想時に売り
- プレミアム収入狙い
- リスク:暴落時に大損失
プットオプションの種類
### プット買い(ロングプット)
- 下落期待
- リスク限定(プレミアム)
- リターンは権利行使価格まで
### プット売り(ショートプット)
- 下落しないと予想
- リターン限定(プレミアム)
- リスクは権利行使価格まで
### プロテクティブプット
- 保有株+プット買い
- 保険的な役割
ヘッジ目的のプット活用
### 個人投資家の例
- 保有銘柄が下落リスク
- プット買いで保険
- 下落しても損失限定
### 機関投資家の例
- 大量の現物保有
- 大幅下落リスクをプットで対策
- 「テールリスク・ヘッジ」
FPねこの視点
プットオプションは「金融商品の保険」と言われます。買い手は損失限定で、ヘッジ目的の利用は理にかなっています。ただし、保険コスト(プレミアム)がかかるため、無闇に買うと長期リターンを下げます。長期インデックス投資なら、暴落も平均化されるため、プットによるヘッジは基本的に不要と言えるでしょう。
具体例
例えば、日経平均34,000円の時、33,000円プットを500円で買い。1か月後に大幅下落で日経平均30,000円になれば、(33,000−30,000)−500=2,500円の利益。元本500円の5倍のリターン。下落相場での「保険」かつ「投機」として機能します。
よくある誤解
「プットを買えば必ず下落に備えられる」と思われがちですが、満期までに権利行使価格を下回らなければ全額損失です。「下落ヘッジ」は保険料がかかる、と認識すべきです。