「子どもが生まれたから、とりあえず学資保険に入っておこう」——親になると、ほぼ必ず検討するのが学資保険です。祖父母や職場ですすめられることも多いでしょう。
でも、独立系FPとしての結論ははっきりしています。学資保険は、すべての人に不要です。「多くの人に」ではなく、どんなタイプの人にとっても要らない、と言い切れます。
理由はシンプル。学資保険は「貯蓄」と「親の万一の保障」がセットになった商品ですが、その両方とも、もっと良いやり方が別にあるから。この記事では、なぜ全員に不要と言えるのかを、データとよくある反論への回答とあわせて解説します🐾
先に結論
- ✕学資保険は全ての人に不要。中身は「貯蓄+親の万一の保障」の抱き合わせで、どちらも中途半端。返戻率は多くが101〜105%(18年でも年利0.2〜0.5%程度)と低く、途中解約で元本割れ、固定額でインフレにも弱い
- ◎増やしたいなら → NISA(オルカン/S&P500)。18年という時間を使えば、学資保険を大きく上回ることが期待できます(過去実績ベース・将来保証なし)
- ◎絶対に減らしたくないなら → 個人向け国債・定期預金。学資保険と利回りはほぼ同じかそれ以上で、いつでも引き出せて自由。学資保険は途中解約で割れるので“元本保証”ですらありません
- ◎親の万一に備えたいなら → 掛け捨ての生命保険(収入保障保険など)。学資保険の「払込免除」より、はるかに安い保険料で、大きな保障を確保できます
- !「強制的に貯まる」も理由になりません。銀行の自動積立やNISAのつみたて設定で“仕組み化”すれば同じこと。わざわざ不利な保険を選ぶ必要はない=だから全員に不要なのです🐾
① 学資保険の“正体”=2つの抱き合わせ
まず、学資保険が何者かをはっきりさせましょう。学資保険は、大きく分けて2つの機能を1つにまとめた商品です。
- ①貯蓄の機能…毎月保険料を払い、満期(大学入学時など)にまとまったお金を受け取る
- ②親の万一の保障(払込免除特約)…契約者(親)が亡くなると、以後の保険料は免除され、満期金は満額受け取れる
一見よさそうですが、実は「1つにまとめている」こと自体が弱点。貯蓄としては利回りが低く、保障としては小さい。どちらも“それ専用の手段”に負けてしまうのです。ひとつずつ見ていきましょう🐾
② 貯蓄として見ると——“定期預金に毛が生えた程度”
学資保険の返戻率(払った保険料に対して戻ってくる割合)は、多くが101〜105%。18年かけても、年利に直すと0.2〜0.5%程度にしかなりません。同じ18年を使うなら、こうなります。
※月1.5万円を18年間(元本324万円)積み立てた場合の比較イメージ。学資保険は返戻率105%、定期預金・国債は年0.5〜1%程度、NISA(オルカン)は年5%で運用できたと仮定した概算です(過去の一般的な傾向をもとにした想定で、将来の利回り・元本を保証しません)。学資保険は“定期預金に毛が生えた程度”の増え方なのに、途中で自由に引き出せないのが弱点です。
見てのとおり、学資保険の増え方は、定期預金や個人向け国債とほぼ同じ。それなのに途中で自由に引き出せず、インフレ(学費の上昇)にも弱い。増やす目的なら、NISA(オルカン/S&P500)が圧倒的に有利です。「大きく増やしたい人」も「堅実に貯めたい人」も、学資保険を選ぶ理由がありません🐾
③ どんなタイプの人でも、“上位互換”がある
「でも、自分のようなタイプには合っているのでは?」——そう思うかもしれません。でも、どんな動機で見ても、学資保険より良い手段が必ずあるのです。だから全員に不要、と言えます。
| あなたの動機 | 学資保険より優れた手段 |
|---|---|
| できるだけ増やしたい | NISA(オルカン/S&P500)。18年の時間を味方に、大きく育てられる |
| 絶対に元本を減らしたくない | 個人向け国債・定期預金。利回りは同等以上で、いつでも引き出せて自由 |
| 親に万一のことがあった時が心配 | 掛け捨ての生命保険(収入保障保険)。同じ保険料で、はるかに大きな保障 |
| 自分だと使ってしまう/強制的に貯めたい | 自動積立・先取り貯蓄の“仕組み化”。給料日に自動で別口座やNISAへ |
| プロに任せて手間なく貯めたい | NISAの“ほったらかし積立”。一度設定すれば、あとは自動 |
このように、どの入り口から入っても、答えは学資保険以外になります。「貯蓄と保障のいいとこ取り」に見えて、実際は「両方が中途半端な、割高な詰め合わせ」。だから、すべての人にとって不要なのです🐾
④ よくある反論に答えます
それでも学資保険をすすめられる理由として、よく出てくる3つに正面から答えます。
| よくある言い分 | 独立系FPの回答 |
|---|---|
| 「払込免除があるから安心」 | その保障は掛け捨ての生命保険のほうが、安く・大きく確保できます。数百万円の学資保険の免除より、数千万円の収入保障のほうが、遺された家族を守れます |
| 「強制的に貯まるのがいい」 | 自動積立で同じことができます。しかも自動積立は、急な入用のとき引き出せて、損もしません。学資保険は途中解約で元本割れです |
| 「元本保証だから安心」 | 満期まで持てば、の話。18年の間に解約すれば割れます。本当に元本保証がほしいなら、個人向け国債や預金のほうが自由で安全です |
どの言い分も、「学資保険でなければ実現できない」ものは一つもありません。だからこそ、全ての人にとって不要だと言い切れるのです🐾
⑤ では、どう備える?(正しい教育資金の作り方)
学資保険をやめて、こうしましょう。やることは2つに分けるだけです。
「貯蓄」と「保障」を分ける、これだけ
教育資金は NISA(オルカン/S&P500)/ 親の万一は 掛け捨て生命保険①教育資金づくりは、親の口座でオルカンかS&P500を毎月コツコツ。0〜18歳の18年を使えば、月1.5万円でも私立文系までしっかり狙えます。②親の万一の備えは、掛け捨ての収入保障保険で大きく確保。この“分けるだけ”で、学資保険より安く・多く・自由になります。どうしても値動きが不安なら、教育資金の一部を個人向け国債や定期預金にしてもOKです🐾(→子どもの学費の備え方(積立シミュレーション))
よくある質問(猫がお答えします)

目安としては、払込があと少しで終わる・満期が近いなら、そのまま持ち切るほうが損が小さいことが多いにゃ。逆に入ったばかりで、この先も長いなら、解約してNISAに切り替えるほうがトータルで有利になることもあるにゃ。
「解約返戻金の額」と「満期まで持った場合の額」を保険会社に確認して、数字で比べて決めるにゃ。新規で入るのだけは、やめておくにゃ🐾


今はNISAという非課税で投資できる制度があるから、教育資金づくりの最適解は変わったにゃ。「学資保険に入る代わりに、NISAでオルカンを積み立ててるよ」と説明すれば、たいてい納得してもらえるにゃ。心配してくれる気持ちには、ちゃんと感謝を伝えるにゃ🐾


学資保険は「満期まで持てば」元本保証だけど、途中で解約すると割れるにゃ。だから“減らしたくない派”にとっても、学資保険は国債や預金の下位互換にゃ。親の万一の備えは、別で掛け捨ての生命保険を用意すれば完璧にゃ🐾


それでも不安なら、教育資金の一部だけNISA・残りは国債や預金に分けてもいいにゃ。大事なのは「増やす部分」と「守る部分」を自分で調整できることにゃ。学資保険みたいに固定されないぶん、ずっと柔軟で安心にゃ🐾

まとめ
- 学資保険は、すべての人に不要。「貯蓄」と「親の万一の保障」の抱き合わせで、どちらも中途半端です
- 貯蓄として見ると、返戻率101〜105%=定期預金に毛が生えた程度。しかも途中解約で元本割れ、インフレにも弱い
- 増やすならNISA、減らしたくないなら国債・預金、万一の備えは掛け捨て——どの動機でも“上位互換”があります
- 「強制的に貯まる」「払込免除」「元本保証」も、学資保険でなければ実現できないものは一つもない
- 正解は「貯蓄と保障を分ける」だけ。教育資金はNISA(オルカン/S&P500)、親の万一は掛け捨て生命保険で🐾
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※本記事は2026年8月時点の一般的な情報提供・考え方の解説であり、特定の保険・投資商品の加入や解約、売買を勧誘・保証するものではありません。学資保険の返戻率(多くが101〜105%程度・商品や契約条件により異なり、一部に高返戻率の商品もあります)、払込免除特約、途中解約による元本割れ、シミュレーション(月1.5万円×18年=元本324万円、学資保険は返戻率105%、定期預金・国債は年0.5〜1%程度、NISA〈オルカン〉は年5%で運用と仮定した概算)は、いずれも2026年8月時点の一般的な傾向・想定に基づくもので、実際の返戻率・利回り・受取額・税額を保証するものではありません。投資信託は元本割れのリスクを伴い、過去の実績や「年5%」等の想定は将来を保証しません。個人向け国債・定期預金の金利、保険の保障内容・保険料、NISA制度の内容は変更される場合があります。当サイトは、必要な保障は掛け捨ての保険(火災・掛け捨ての生命保険・対人対物無制限の自動車保険)で確保し、貯蓄・資産形成はNISAでのインデックス投資で行うことを基本方針としています。すでに加入中の保険の解約は、解約返戻金・満期額・保障の必要性をふまえた個別判断が必要です。具体的な保険・税務・投資の判断は、ご自身の状況をふまえ、必要に応じて専門家にご相談のうえ、自己責任で行ってください。

