今週(2026年8月25〜31日)のキーワードは「効かない介入」。日経平均は8月28日に7日続伸で6万6,405円まで戻しましたが、主役は株よりも為替でした。財務省が公表した7月30日〜8月26日の為替介入額は報道によれば約15兆4千億円。それでも円相場は1ドル=159円台半ばまで戻っています。一方で物価は落ち着きはじめ、8月の東京都区部は前年同月比+1.8%と7カ月連続の2%割れ。この株高・円安・物価鈍化が、私たちの家計と新NISAにどう関わるのかを、FPねこがファクト付きで整理します🐾
① 日経平均は7日続伸、でも週末に先物が下落
日経平均株価は8月28日、前日比+273円58銭の6万6,405円56銭で取引を終え、7日続伸となりました。同日のTOPIXも4,146.71(+29.49)と上昇しています。週間では約389円(+0.59%)の上昇でした。27日にはエヌビディアの決算を好感して一時600円を超える上昇となる場面もありましたが、その後は失速。足元は6万5,000〜6万7,000円台のレンジ相場が続いています。そして東京市場が引けたあと、ジャクソンホール会議でのウォーシュFRB議長の講演を受けて、日経平均先物は下落しました。議長が利上げの可能性を排除しなかったためです。
📊 事実(ファクト)
日経平均:2026年8月28日終値6万6,405円56銭(前日比+273円58銭・+0.41%)で7日続伸。TOPIXは4,146.71(+29.49)。東証プライム市場の売買代金は8.1兆円。週間(8月24〜28日)では約+389円(+0.59%)。市場が想定する来週のレンジは6万5,000〜6万8,000円程度とされています。7月に7万2,000円台をつけた水準からは、調整が続いている形です。
🐾 家計のポイント
株価が上下しても、オルカンやS&P500を積み立てている人がやることは変わりません。7日続伸も、週末の先物下落も、積立の手を止める理由にはならないのです。むしろ気をつけたいのは、こうしたニュースを見て「今のうちに売ろうか」と考えてしまうこと。暴落時に売ってはいけない理由もあわせてどうぞ🐾
② 介入15兆円でも、円は159円台に戻った
今週いちばんの注目は為替です。財務省は8月28日、7月30日から8月26日までの外国為替平衡操作(為替介入)の実施状況を公表しました。報道によれば、その額は約15兆3,993億円。過去最大級の規模です。ところが8月28日の東京市場で、ドル円は159円台半ばで推移しました。日本経済新聞は「はや薄れる日米協調介入の神通力」と報じています。実は財務省が公表しているデータを見ると、2026年4〜6月期にもすでに11兆7,349億円を投じています(4月30日6兆2,787億円、5月4日7,802億円、5月6日4兆6,759億円)。合わせて27兆円規模を使っても、円安の流れは変わっていないということです。
📊 事実(ファクト)
為替介入:財務省が公表する2026年4〜6月期の実施額は11兆7,349億円(米ドル売り・日本円買い)。2026年7月30日〜8月26日の実施額は報道によれば約15兆3,993億円で、合計すると27兆円規模になります。それでもドル円は2026年8月28日時点で159円台半ば。介入は「速度をゆるめる」効果はあっても、方向そのものを変える力は限定的とされています。
🐾 家計のポイント
介入のニュースで、家計がやることは何もありません。当サイトは以前から為替介入は気にしなくていいとお伝えしてきましたが、今回もそのとおりの結果になりました。大事なのは「円だけで資産を持たない」こと。全世界株式に積み立てていれば、資産の大部分は自動的に外貨建てになります。円安は、円だけで持っている人にとってだけ怖いものです🐾
③ 物価は+1.8%、7カ月連続で2%割れ
総務省が8月28日に発表した8月の東京都区部の消費者物価指数(中旬速報値)は、生鮮食品を除く総合が102.3となり、前年同月比+1.8%でした。2%を下回るのは7カ月連続です。東京都区部の数値は全国に先行して出るため、物価の方向を見るうえで注目される指標です。物価の上昇ペースが落ち着いてきたことは、家計にとってはひとまず良い知らせです。ただし、これは日銀が利上げを急ぐ理由が薄れることも意味します。
📊 事実(ファクト)
消費者物価:2026年8月の東京都区部・生鮮食品を除く総合は102.3で前年同月比+1.8%(総務省・2026年8月28日発表、中旬速報値、2025年=100)。2%割れは7カ月連続です。物価上昇の鈍化は、日本銀行が追加利上げに動く必要性を弱める材料と受け止められています。
🐾 家計のポイント
物価が落ち着くのは家計にはプラスですが、油断はできません。+1.8%でも、お金の価値は毎年1.8%ずつ減っていることに変わりはないからです。普通預金に置いたままのお金は、実質的に目減りし続けます。一方で変動金利で住宅ローンを借りている人には、当面の据え置きは追い風です。繰上返済とNISAのシミュレーターで、自分のケースを確かめてみてください🐾
④ 本丸は2.75ポイントの金利差、次は9月の日銀会合
では、なぜ介入しても円安が止まらないのか。答えは金利差です。日本の政策金利は1.0%、アメリカは誘導目標の上限が3.75%。その差は2.75ポイントあります。お金は金利の高いほうへ流れますから、この差が続くかぎり円は売られやすい状態が続きます。しかも今週のジャクソンホールで、ウォーシュFRB議長は利上げの可能性を排除しませんでした。もしアメリカが利上げすれば、金利差はさらに開きます。一方の日本は、②で見たとおり物価が落ち着いてきたことで、利上げを急ぎにくい状況です。次の日銀の金融政策決定会合は9月17〜18日。その前に9月4日の米雇用統計という大きな山があります。
📊 事実(ファクト)
金利:日本の政策金利は1.0%、米FRBの誘導目標上限は3.75%で、その差は2.75ポイント。2026年8月のジャクソンホール会議でウォーシュFRB議長は利上げの可能性を排除しませんでした。次回の日銀金融政策決定会合は2026年9月17〜18日。来週は9月1日にJOLTS求人件数とISM製造業景況指数、9月2日にADP雇用統計、9月4日に米雇用統計の発表が予定されています。
🐾 家計のポイント
金利差のニュースは難しく見えますが、家計への影響はシンプルです。円安が続きやすい=輸入品の値段は下がりにくい=外貨建ての資産を持っている人が有利。これだけです。新NISAのシミュレーターで、毎月いくら積み立てれば将来どうなるかを一度確認してみるのもおすすめです。なおFXで金利差を狙う(スワップ狙い)のは、当サイトはおすすめしません(→FXをおすすめしない理由)🐾
まとめ|FPねこの結論
今週は「27兆円使っても円安は止まらなかった」という、為替の現実がはっきり見えた1週間でした。株は7日続伸しましたが、週末には米国の利上げ観測で先物が下落し、来週の米雇用統計待ちという状態です。ニュースは動きましたが、家計がやるべきことは今週も変わりません。
①相場が上がっても下がっても、新NISAでインデックス積立を淡々と続ける。②資産を円に偏らせず、世界に分散しておく。③物価は落ち着いてきたが、預金だけでは実質目減りすることを忘れない。④変動金利の人は、当面の据え置きに安心せず利上げに備えておく。この4つを守るだけで、株高にも円安にも金利にも振り回されにくい家計になります。なお当サイトは、初心者向けには低コストのインデックス投資(オルカン・S&P500)一択の立場です。介入や金利差のニュースに合わせて、個別株・レバレッジ型・FX・暗号資産に飛びつかないようにしましょう🐾

