新NISAが2024年に始まって、「じゃあ2023年までの旧つみたてNISAで買った投信はどうすればいいの?」と迷っている人はとても多いです🐾 「新NISAに移せるの?」「売ったほうがいい?」「そのまま置いておいていい?」——結論から言うと、“持っている商品の中身”で答えが変わります。この記事では、独立系FPの視点で「そのまま非課税を使い切るべきケース」と「売ってオルカン/S&P500に買い直すべきケース」を、ハッキリ切り分けて解説します。
先に結論:低コスト優良品は“置いておく”、高コスト品は“売って買い直す”
- ◎旧つみたてNISAの非課税期間は、買った年から20年。まだ何年も非課税で持てるので、優良な低コストインデックスなら、あわてず“非課税を使い切る”のが基本🐾
- ◎ただし大前提は「いい商品を持てていること」。楽天VTI・楽天VTやeMAXIS Slimなど、当時としては貴重だった低コストの全米・全世界インデックスなら、そのまま寝かせてOK
- ✕逆に、信託報酬が高い商品を買ってしまっているなら話は別。持ち続けるほど手数料で複利がすり減るので、非課税期間が残っていても“塩漬け”は損になりやすい
- ◎高コスト品は、売却して新NISA(または特定口座)でオルカン/S&P500に買い直し。旧つみたてNISAは売っても非課税なので、乗り換えの税コストは実質ゼロ🐾
① まず前提:旧つみたてNISAは「新規買付は終了、でも保有分は20年非課税」
混乱しやすいので、最初にルールを整理します🐾 旧つみたてNISA(2018〜2023年)は、2023年末で“新しく買う”のは終了しました。でも、すでに買った分は、そのまま非課税で持ち続けられます。ここが大事なポイントです。
- 非課税期間は「買った年から20年」…たとえば2020年に買った分は2039年まで、2023年に買った分は2042年まで、まるまる非課税で運用できます。まだ十数年〜20年近く残っている人がほとんどです🐾
- 新NISAとは“別枠”で共存できる…旧つみたてNISAの残高は、新NISAの生涯投資枠(1,800万円)とは別にカウントされます。つまり旧つみたてNISAを持ったまま、新NISAもフルに使えるということ。だから「新NISAのために慌てて売る」必要はありません
- 旧つみたてNISAから新NISAへ“移す(ロールオーバー)”はできない…非課税期間が終わると、その時の時価で課税口座(特定口座)に払い出されるのが原則です
💡 ここまでの要点:旧つみたてNISAは「新しく買えないだけ」で、持っている分は今も非課税でしっかり生きているということ🐾 なので判断のスタート地点は、「売るか売らないか」ではなく「今持っている商品が“いい商品”かどうか」です。
② 【原則】低コストの優良品なら、非課税20年をフルに使い切るのが正解
持っている商品が低コストの優良インデックスなら、答えはシンプルです🐾 あわてて売らず、非課税期間ギリギリまで“寝かせて”おくのがおすすめ。理由はこうです。
- 非課税のメリットを最後まで享受できる…売らずに持ち続ければ、あと十数年、値上がり益も分配金も非課税。この“非課税で運用できる時間”は、それ自体が大きな価値です
- 売って買い直すと、非課税枠がもったいない…優良品を売ると、その非課税で運用できたはずの期間を捨てることになります。中身が良いなら、わざわざ手放す理由がありません🐾
- “ほったらかし”がいちばん再現性が高い…下手にいじると、売買のたびに判断ミスや狼狽売りのリスクが増えます。良い商品は、触らず放っておくのが最強です
③ 【大前提】それは“いい商品”を持てている場合の話
ここで、②の「そのまま持て」にはとても重要な前提があることに注意です🐾 それは——楽天VTI・楽天VTのような“低コストで中身の良いインデックス”を持てている場合に限る、ということ。
今でこそオルカン(全世界株式)やS&P500を信託報酬0.1%前後で誰でも気軽に買えますが、旧つみたてNISAが始まった当時は、そんな低コストの全世界・全米型は選択肢が限られていました。その中で、
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)…アメリカ全体まるごとに投資できる、当時としては貴重な低コスト全米型🐾
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド(楽天VT)…世界中の株にまとめて分散できる全世界型
- eMAXIS Slim シリーズ(全世界株式・米国株式 など)…業界最安クラスを追求してきた定番
——こうした低コストの王道インデックスを選べていたなら、それは“正解の商品”です🐾 中身は今から買うオルカン/S&P500とほぼ同じ方向性。だから無理に乗り換えず、非課税期間をフルに使い切ってOK。むしろ良い判断をしていた、と胸を張っていいです。
💡 ひとことメモ:厳密には、楽天VTI/VTよりさらに信託報酬が低い商品(eMAXIS Slimのオルカン/S&P500など)も今はありますが、その差は年0.1%前後とごくわずか🐾 非課税枠を捨ててまで乗り換えるほどの差ではないので、楽天VTI/VTクラスなら、そのまま保有で十分です。
④ 【要チェック】信託報酬が高い商品を買ってしまっているなら話は別
問題は、③のような優良品ではなく、信託報酬(保有コスト)が相対的に高い商品を選んでしまっていたケースです🐾 じつは、つみたてNISAの対象商品は金融庁が「長期・積立・分散」に適したものだけを厳選しているので、手数料が異常に高いテーマ型(AI・環境など)や毎月分配型は、そもそも対象外=買えませんでした。この点は安心材料です。ただし、“対象の中でも”コストに差はあります。とくに要チェックなのが——
- つみたてNISA対象のアクティブ型ファンド…実は一部のアクティブファンドはつみたてNISAでも買えました(例:ひふみプラス/セゾン資産形成の達人ファンド/コモンズ30ファンド/結い2101 など)。金融庁の基準で信託報酬は「国内資産1.0%/海外資産1.5%(税抜)」が上限ですが、それでも指定インデックス投信(0.1〜0.2%前後)に比べるとかなり高め(例:ひふみプラスは年1.078%程度)。しかも長期では、多くがインデックスに勝てていません
- 相対的にコストが高めのバランス型・単一国型など…同じインデックスでも、中身のわりに信託報酬が高めの商品を選んでいた場合は、長期でジワジワ効いてきます
| 信託報酬(年) | 目安 | 評価 |
|---|---|---|
| 〜0.2%前後 | 楽天VTI/VT・eMAXIS Slim など | ◎ 優良。そのまま保有でOK |
| 0.3〜0.5%くらい | やや割高なインデックス | △ 中身を確認。気になるなら見直し検討 |
| 1%前後〜1.5% | 対象アクティブ型(ひふみ/セゾン達人 等) | ✕ 相対的に高コスト。売却&買い直しを検討 |
※数値は一般的な目安です。正確な信託報酬は、必ずご自身の保有商品の「目論見書」や証券会社の商品ページでご確認ください。
信託報酬は「持っているだけで毎年引かれ続けるコスト」です🐾 たとえば年1%と年0.1%では、その差は0.9%。1,000万円なら年9万円、20年で複利込みだと数百万円単位の差になることもあります。コストの差は、確実に・毎年・複利で効いてくる——ここが、優良品と高コスト品で判断が真逆になる理由です。
⑤ 高コスト品なら「売って、新NISA/特定口座でオルカン・S&P500に買い直す」
もし④に当てはまる信託報酬が高い商品を持っているなら、おすすめは思い切って売却し、オルカン/S&P500に買い直すことです🐾 「非課税期間がまだ残ってるのに売るの?」と思うかもしれませんが、高コスト品を持ち続けるデメリットのほうが大きいケースが多いんです。
- 売却益に税金がかからない…旧つみたてNISA内の商品は、売っても利益は非課税🐾 つまり乗り換えの税コストが実質ゼロ。含み益があっても、まるまる手元に残せます。これは特定口座(約20%課税)にはない、大きなメリットです
- 買い直し先は、まず新NISAの枠を使う…売った資金は、新NISAの成長投資枠・つみたて投資枠でオルカン/S&P500を買い直すのが最優先。ふたたび非課税で運用できます
- 新NISA枠が埋まっていれば特定口座で…新NISAをすでに使い切っているなら、特定口座で低コストインデックスを買う。課税口座でも、高コスト品を持ち続けるより手数料負けしにくいことが多いです🐾
⑥ 見直しの手順(3ステップ)
やることは意外とシンプルです🐾 いちど自分の口座をチェックしてみましょう。
- STEP1:旧つみたてNISAで“何を”買っていたか確認…証券会社にログインし、旧つみたてNISA口座の保有商品名をチェック。「楽天VTI」「楽天VT」「eMAXIS Slim(全世界・S&P500)」など低コストインデックスか? それとも信託報酬が高めのアクティブ型(ひふみ/セゾン達人 等)か?
- STEP2:信託報酬(年率)を調べる…商品名で検索するか、証券会社の商品ページ・目論見書で確認。0.2%前後なら◎そのまま保有、1%前後〜なら✕見直し候補🐾
- STEP3:高コスト品だけ、売って買い直す…優良品は放置して非課税を使い切る。高コスト品は売却→新NISA(埋まっていれば特定口座)でオルカン/S&P500に買い直し。新規の積立は、これからは新NISAに一本化でOK
毎月いくら積み立てると将来いくらになるかは、新NISA積立シミュレーターでサッと試算できます🐾 「そのまま保有か、乗り換えか」で迷ったら、まず信託報酬の数字を見る——これが判断の軸です。
まとめ
- 旧つみたてNISAは「新規買付が終了しただけ」。保有分は買った年から20年、今も非課税で運用できる(新NISA枠とは別)
- 低コストの優良品(楽天VTI/VT・eMAXIS Slim など)なら、あわてず非課税を使い切るのが基本。触らず放置が最強🐾
- ただし前提は「いい商品を持てていること」。オルカン/S&P500が気軽に買えなかった時代に、低コストの王道を選べていたならOK
- 信託報酬が高めの商品(つみたてNISA対象のアクティブ型など)を買ってしまっているなら話は別。コストで複利がすり減るので、塩漬けは損(※テーマ型・毎月分配型はそもそも対象外で買えない)
- 高コスト品は売却→新NISA(埋まっていれば特定口座)でオルカン/S&P500に買い直し。旧つみたてNISAは売っても非課税=乗り換えコスト実質ゼロ
- 判断の軸は「信託報酬の数字」。0.2%前後なら保有、1%前後〜なら見直し。これからの積立は新NISAに一本化🐾
よくある質問(猫がお答えします)










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※本記事は、旧つみたてNISA(〜2023年)で購入した商品の取り扱いに関する一般的な情報提供と、独立系FPとしての整理を目的としたものです。非課税期間・制度の詳細は年度や個別の状況、法改正により変わる可能性があり、最新かつ正確な情報は金融庁や各証券会社の公式情報をご確認ください。信託報酬などの数値はあくまで一般的な目安で、実際の商品ごとに異なります。将来の運用成果やリターンを保証するものではなく、株価下落・元本割れの可能性があります。特定の金融商品・ファンドの売買を推奨するものではありません。最終的な投資判断は、ご自身の責任で行ってください。

