高配当株投資が好きな独立系FPの私が、「これはポートフォリオの片隅に入れておきたいな」と自分で分析した日本の高配当株を紹介するシリーズ。第4回の主役はあさひ(証券コード:3333)。街でよく見る自転車専門店「サイクルベースあさひ」を全国展開する国内最大手です。自己資本比率は約71%と財務は健全、リーマンショックもコロナ禍でも一度も減配していません。長期では1株14円→50円へ着実に増配してきました。足元の2026年2月期は物価高の逆風で減益となりましたが、それでも配当50円を維持。予想利回りは約3.73%、PBRは約0.84倍と割安感もあります(2026年7月時点)。この記事では、あさひの魅力と“気をつけたい点”をできるだけグラフ中心でやさしく解説します🐾
先に結論
- ◎生活に根ざしたディフェンシブ寄りの高配当株。自転車専門店“サイクルベースあさひ”の国内最大手で、自己資本比率は約71%と健全。リーマン・コロナ禍でも一度も減配せず、長期では14円→50円へ増配してきた配当の粘り強さが魅力です
- ◎“配当への本気度”が高い。目標配当性向35%を掲げつつ、2023年には株主優待を廃止して配当へ一本化。しかも減益となった2026年2月期も50円を維持(配当性向57.4%)——目標を上回ってでも減配しなかった姿勢が表れています。PBRは約0.84倍(解散価値割れ)と割安感も(2026年7月時点の概数)
- △足元は減益、そして“1銘柄集中”はしません。2026年2月期は物価高の買い控えで営業利益が前期比-28%と減益(罠ではなく一過性と判断/後述)。高配当株のセオリーは30銘柄以上に分散で、あさひはあくまでカゴの中の1銘柄。土台は全世界株/S&P500の積立にしつつ、割安な局面で少しずつ——これが私のスタンスです
① そもそも、あさひ(サイクルベースあさひ)ってどんな会社?
あさひは、東証プライム市場に上場する自転車専門店の国内最大手です(証券コード3333・2月決算)。全国に展開する「サイクルベースあさひ」の看板は、見たことがある人も多いはず。ビジネスの柱はこの3つです。
- 自転車の販売…ママチャリから子ども乗せ電動アシスト、スポーツ自転車(e-bike)まで幅広く。企画・開発から販売まで手がけるSPA(製造小売)型で、プライベートブランドにも強み
- 整備・修理・メンテナンス…パンク修理・点検・部品交換など。景気にあまり左右されず、安定して発生する“ストック的”な収益。買った後も店に通ってもらえるのが強み
- リユース(中古)自転車…物価高で新車が高くなるなか、買い取り・再販の需要が伸びている成長分野
つまり「売って終わり」ではなく、修理・メンテで長く付き合うのがあさひのビジネス。自転車は通勤・通学・子どもの送り迎え・買い物に欠かせない“生活必需品”で、需要が完全にゼロになることはありません。派手さはないけれど、暮らしに密着した地味に堅い商売——高配当株として個人的に好きなタイプの会社です🐾
② 【最大の魅力】リーマン・コロナ禍でも減配なし
まずは高配当株としていちばん見てほしいグラフから。配当金の推移です。
▲ リーマン・コロナ禍でも一度も減配なし。緑の2021年2月期はコロナ下の自転車需要でも増配(28円)、赤の2024年2月期は28→45円へ大幅増配。毎年増配の“連続増配株”ではなく据え置きの年もあるものの、長期では14円→50円へ着実に増配してきました。2026年までは実績、2027年は会社予想(据え置き50円・グレー/2026年7月時点)。
ポイントは3つ。
- ① リーマン・コロナ禍でも一度も減配していない…多くの企業が減配に追い込まれた不況期でも、あさひは配当を減らしませんでした。とくにコロナ下の2021年2月期は“自転車ブーム”の追い風で28円へ増配(グラフの緑)。不況で配当を守り抜いた実績は、高配当株を長く持つうえで何より安心できる材料です
- ② 長期では14円→50円へ着実に増配…2018年2月期の14円から、2024年2月期には28→45円へ大幅増配(グラフの赤)、いまは50円まで来ました。約3.5倍です
- ③ ただし“毎年連続増配”ではない…14→14、18→18、28→28→28…と据え置きの年もあります。ここは正直にお伝えするポイント。「毎年必ず増える」タイプではなく、「減らさず、機を見て増やす」タイプだと理解しておきましょう
※2026年2月期までは配当実績、2027年2月期は会社の配当予想(据え置き50円・2026年7月時点)です。予想は今後の業績や方針で変わる可能性があります。
③ 減益でも配当を守った──配当性向に見える“本気度”
あさひの配当への姿勢がいちばん表れているのが、この配当性向(=利益のうち何%を配当に回すか)のグラフです。
▲ 会社の目標は配当性向35%。ところが赤の2026年2月期は減益で配当性向が57.4%まで上昇——これは利益が落ちても50円を減らさなかったことの裏返しで、目標を上回ってでも配当を維持した株主還元の姿勢が表れています。2027年は業績回復予想で約47.6%の見込み(実績EPSベースの概算)。
あさひの配当方針は「継続的な安定配当・目標配当性向35%」。ふだんはこの35%前後で配っています。ところが減益となった2026年2月期は、配当性向が57.4%まで上昇しました。これは無理に配りすぎたというより、「利益が落ちても50円は減らさない」と、目標を上回ってでも配当を維持した結果です。減配を嫌う高配当株投資家にとって、この“意地でも守る”姿勢はかなりの安心材料。翌2027年2月期は業績回復予想で配当性向は約47.6%に戻る見込みで、利益の範囲内できちんと配れる状態です🐾
※配当性向は「1株配当÷1株利益(EPS)」。2026年2月期はEPS87.12円に対し配当50円で約57.4%。数値は各種公表データに基づく概数です。
④【高配当投資家目線】配当への“本気度”と、株主優待の廃止
ここが高配当株投資家として注目したいポイントです。あさひは株主還元について、近年はっきりと「配当で報いる」方向へ舵を切りました。
- ① 目標配当性向35%+継続的な安定配当…利益に応じて配りつつ、“安定して配り続ける”ことを重視する方針です
- ② 減益でも減配しなかった実績…前述のとおり、2026年2月期は減益でも50円を維持。方針の数字(35%)を上回ってでも配当を守った——「言うだけでなく実際に守った」のが大きな信頼材料です
- ③ 2023年に株主優待を廃止し、配当へ一本化…あさひは長く続けた株主優待を2023年に廃止しました。一見マイナスに見えますが、これは「優待という“モノ”ではなく、全株主に公平な“現金(配当)”で還元する」という考え方の表れ。優待目的で株数を揃える必要がなくなり、1株(単元未満株)から配当だけを狙う私たちの買い方とは、むしろ相性が良いとも言えます
注意点として、あさひの方針は「累進配当(原則減配しない)」や「DOE下限」といった“強い縛り”までは明文化していません。あくまで目標配当性向35%+継続的な安定配当という位置づけです。とはいえリーマン・コロナ・そして直近の減益局面でも減配しなかった実績は、方針の数字以上に雄弁だと私は感じています🐾
※配当方針・株主優待の廃止(2023年)は会社の適時開示・IR資料に基づく概要です。方針は将来見直される可能性があり、将来の配当を保証するものではありません。
⑤ 配当利回りは約3.73%──高すぎず、健全な水準
予想配当利回りは約3.73%。東証プライムの平均(約2.3%前後)より高く、高すぎもしない“ちょうどいい”水準です。ここで大事なのは、「利回りが高ければ高いほど良い」わけではないこと。6〜8%を超えるような超高利回り銘柄は、「業績悪化で株価が急落した結果、見かけの利回りだけが高い」「近い将来の減配を織り込んでいる」という“罠銘柄”のことが少なくありません。
「あさひも2026年2月期は減益なのに大丈夫?」——そう思いますよね。ここは正直に見ていきましょう。あさひの減益は、物価高による自転車の買い控えや天候要因といった“一過性”の色が濃く、①自己資本比率71%の健全な財務、②整備・修理・リユースという景気に左右されにくい収益基盤、③会社は2027年2月期に増収増益(回復)を予想——という点から、「構造的にダメになった罠銘柄」とは異なると私は判断しています。約3.73%という利回りも、減配せず守られてきた実績に裏打ちされた健全な水準。だからこそ、ポートフォリオの一銘柄の候補になりうるというのが私の評価です🐾
※利回りは株価が動けば変わります(株価が下がれば上がり、上がれば下がる)。数字だけでなく「なぜその利回りなのか」まで見るのが大切です。
⑥ 業績と財務──強みと“足元の弱さ”を数字で確認
高配当が続くかどうかは、結局本業がしっかり稼げているか次第。しかも1年だけでなく、「毎年きちんと稼げているか(売上高と利益率の推移)」が高配当株ではとても大切です。まずはその推移から。
▲ 売上高は536→814億円へ長期で右肩上がり(10年弱で約1.5倍)。営業利益率はコロナ特需の2021年に9.9%へ跳ねたあと、足元2026年は物価高の買い控えで4.84%まで低下——ここは正直に注意したいポイント。ただし2027年は売上863億・利益率5.0%へ回復見込み。2026年までは実績、2027年は会社予想。数値は各種公表データに基づく概数です。
売上高は長期で右肩上がり(10年弱で約1.5倍)と、事業そのものはしっかり伸びています。一方で営業利益率は、コロナ特需の2021年(9.9%)をピークに、足元2026年2月期は4.84%まで低下。ここは正直に注意したい弱点です。物価高で自転車の単価が上がり、買い控えや買い替えの先送りが起きたことが主因。ただし会社は2027年2月期に売上863億・利益率5.0%への回復を予想しており、需要そのものが消えたわけではない点は押さえておきたいところです🐾
続いて、2026年2月期(最新実績)の主要な数字をまとめて確認します。
2026年2月期は減収減益(純利益は前期比-36.2%)と、正直さえない1年でした。ただ、それでも営業黒字はしっかり確保し、配当は減らさず50円を維持。財務の健全性を示すのがこちらです。
🛡 財務・収益性のものさし
※各指標はイメージしやすいよう独自の基準幅で描画しています。数値は2026年7月時点/2026年2月期の概数です。
自己資本比率は約71%——小売業としてはかなり健全で、借金に頼りすぎず自前のお金で堅実に商売しています。だから1年くらい利益が落ちても、配当を減らさず耐えられる体力があるわけです。ROE(自己資本利益率)は予想で約6.55%と派手ではありませんが、減益の年でも二桁近い水準を保つのは悪くありません🐾
⑦ 割安なの?──株価・時価総額・PER・PBRで見る
2026年7月13日時点の株価は1,339円、時価総額は約351億円。バリュエーション(株価の割安・割高)を代表的な2つのモノサシで見ると——
- PER(予)約12.8倍…利益に対する株価の水準。日本株の平均(15倍前後)より低めで、やや割安寄りの水準です(業績回復予想ベース)
- PBR 約0.84倍…資産に対する株価の水準。1倍を下回る=理論上の解散価値より株価が安い状態。東証が「PBR1倍割れの改善」を求めていることもあり、株主還元強化(増配・配当一本化)の追い風にもなっています
まとめると「利益から見ればやや割安、資産から見ても割安」。財務が健全で、配当を守る姿勢が強く、PBRは1倍割れ——足元の減益という弱点を織り込んでも、高配当株として素直に検討に値すると私は判断しています(あくまで主観)🐾
⑧ 景気敏感株? ディフェンシブ株?
高配当株を選ぶとき気になるのが「不況に強いか(ディフェンシブ)」か「景気に振られるか(景気敏感)」か。あさひは、どちらかといえばディフェンシブ寄りですが、両面を持っています。
🛡 ディフェンシブな面
自転車は通勤・通学・子どもの送迎に欠かせない生活必需品。とくにパンク修理・点検・整備の売上は景気に関係なく発生し、リユース需要は物価高でむしろ追い風。自己資本比率71%で不況の耐久力も高めです。
🔺 景気・環境に振られる面
車体(とくに高価格帯のe-bike)の販売は、物価高・天候・買い替えサイクルに左右されます。実際、2026年2月期は物価高の買い控えで減益。この点は“景気・環境敏感”な一面です。
私の整理はこうです——「暮らしに密着したディフェンシブな器だが、車体販売はインフレや天候の逆風を受ける」。つまり景気や物価の局面では業績・株価が下がることもあるけれど、財務が健全で修理・整備の底堅い収益があるから、配当が崩れる心配は相対的に小さい。だからこそ「株価が下がって利回りが上がった局面で、少しずつ拾う」のが相性のいい銘柄だと考えています🐾
📌 “カゴの中の1銘柄”という位置づけメモ(主観)
ここまで魅力を語ってきましたが、私はあさひに“集中投資”はしません。高配当株投資のセオリーは「1〜数銘柄に賭けず、30銘柄以上に分散して配当を受け取り続ける」こと。どんなに良い会社でも、1社に集中すればその1社の不調で配当がガクッと減るからです(あさひ自身、足元は減益局面にあります)。あさひは、あくまでそのカゴ(ポートフォリオ)に入れる“1つの卵”。
だから私の使い方は、①資産形成の土台は全世界株/S&P500のインデックス積立、②その上で余力を高配当株に回し、業種のちがう30銘柄以上に分散、③あさひはそのうちの1銘柄として、割安(利回りが高い)局面で少しずつ買う——全力買いも、1銘柄集中もしません。ここがいちばん大事なポイントです。
🛒 楽天証券で買える(東証プライム)
下記は楽天証券の銘柄情報ページへのリンクです(特定商品の売買を勧誘するものではありません)。当サイトのおすすめは、楽天証券の「かぶミニ®」などの“単元未満株”で1株(約1,300円)から少しずつ買う方法。まとまった資金がなくてもコツコツ・分散しやすく、NISA成長投資枠も利用できます。あさひは株主優待を廃止して配当へ一本化したので、優待のための100株集めを気にせず、1株から配当だけをコツコツ狙えるのも相性◎です。
買う前に知っておきたい注意点・リスク
- ① 足元は減益局面…2026年2月期は物価高の買い控えで営業利益が前期比-28%。回復は“予想”であって確約ではありません。想定より回復が遅れれば、配当方針にも影響する可能性はあります
- ② 連続増配・累進配当ではない…あさひは据え置きの年もあり、累進配当やDOE下限のような強い縛りは明文化していません。過去は減配なしですが、「絶対に減配しない」という保証ではない点は理解しておきましょう
- ③ 天候・物価・競合に左右される小売業…自転車販売は天候不順や物価高、ネット通販・他社との競争の影響を受けます
- ④ 株価変動リスク・元本保証なし…個別株なので当然値下がりもします。「利回りが高いから」だけで一括・集中で買わないのが鉄則です
これらのリスクがあるからこそ、「土台はインデックス積立、あさひは分散した高配当ポートフォリオの中の1銘柄」という位置づけが効いてきます🐾




まとめ
- あさひ(3333)は、自転車専門店“サイクルベースあさひ”の国内最大手の高配当株。自己資本比率約71%で財務は健全、リーマン・コロナ禍でも減配なし、長期では14円→50円へ増配してきた配当の粘り強さが最大の魅力
- 目標配当性向35%+継続的な安定配当で、2023年に株主優待を廃止し配当へ一本化。減益となった2026年2月期も50円を維持(配当性向57.4%)し、株主還元への本気度を実績で示した
- 予想利回りは約3.73%、PER約12.8倍・PBR約0.84倍と割安感(2026年7月時点の概数)。ただし足元は物価高で減益という弱点もあり、回復は“予想”である点に注意
- それでも集中投資はしない。高配当のセオリーどおり30銘柄以上に分散し、あさひは“カゴの中の1銘柄”として、土台のインデックス積立を崩さず割安な局面で単元未満株から少しずつ——これが独立系FPとしての私のスタンスです🐾
よくある質問(猫がお答えします)










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※本記事は2026年7月時点の一般的な情報提供であり、特定の銘柄・商品の売買を推奨・勧誘・助言するものではありません。あさひ(証券コード3333・東証プライム・2月決算)に関する本文中の株価(1,339円/2026年7月13日時点)・時価総額(約351億円)・予想配当(50円)・予想配当利回り(約3.73%)・EPS(87.12円)・BPS(1,600.08円)・配当性向・売上高(813.7億円)・営業利益(39.4億円)・営業利益率(約4.84%)・純利益(22.7億円)・ROE(約5.66%/予想約6.55%)・自己資本比率(約71%)・PER(予・約12.8倍)・PBR(約0.84倍)などの数値は、各種公表データに基づく概数であり、市況や時期・集計方法により変動します。配当実績(2018〜2026年2月期)・配当性向・業績(売上高・営業利益率)の推移、および2027年2月期の売上・利益・配当は会社予想や各種公表データに基づく概数で、将来の配当額・利回り・業績を保証するものではありません。配当方針(目標配当性向35%・継続的な安定配当)および株主優待の廃止(2023年)は会社の適時開示・IR資料に基づく概要で、将来見直される可能性があります。あさひは累進配当・DOE下限等の強い還元縛りを明文化しておらず、過去に減配がないことは将来の減配がないことを保証するものではありません。個別株には株価変動リスク・業績悪化・減配リスク等があり、元本は保証されません。NISA口座以外(課税口座)での売却益・配当には約20.315%(所得税・住民税・復興特別所得税)が課税されます。投資判断はご自身の責任で、必要に応じて金融機関等の専門家にご相談ください。

