病気やケガで会社を長く休むと、給料が止まって生活が不安になります。そんなとき会社員を支えるのが傷病手当金。健康保険から給料の約3分の2が、最長1年6か月(通算)支給される、とても心強い制度です。支給額の計算・期間・条件・申請方法までやさしく解説します。
先に結論:会社員には「働けないときの給料補償」がある
- ◎病気・ケガで働けず給料が出ないとき、給料の約2/3が支給される
- ◎同じ病気で通算1年6か月まで受け取れる(2022年から「通算」に)
- ✕自営業・フリーランス(国民健康保険)には原則なし。その分、現金の備えを厚くする必要がある
傷病手当金とは:働けない間の生活を支える給付
傷病手当金は、業務外の病気やケガで働けなくなり、給料が受けられないときに、加入している健康保険(協会けんぽ・健保組合など)から支給される手当です。うつ病などの精神疾患・がんの治療・大きな手術後の療養なども対象になりえます。会社員・公務員など健康保険の被保険者が対象で、仕事による病気・ケガ(労災)は対象外(こちらは労災保険)です。
もらえる条件(4つすべてを満たす)
- 業務外の病気・ケガで療養中であること
- 療養のため仕事に就けない状態であること
- 連続して3日間休んだ(待期)うえで、4日目以降も休んでいること
- 休んだ期間について給料が支払われていないこと(給料が傷病手当金より少ない場合は差額が支給)
ポイントは「待期3日」。最初の連続する3日間は支給されず、4日目から支給対象になります。待期の3日間は有給休暇・土日でもカウントされます。
支給額の計算:給料のおよそ3分の2
1日あたりの支給額は、「支給開始日以前12か月間の標準報酬月額の平均 ÷ 30 ×(2/3)」で計算します。ざっくり言えば「月給のおよそ3分の2」。標準報酬月額には基本給だけでなく、各種手当も含まれます。
| 休業前の月給(目安) | 1日あたり | ひと月あたり(約30日) |
|---|---|---|
| 20万円 | 約4,440円 | 約13.3万円 |
| 25万円 | 約5,560円 | 約16.7万円 |
| 30万円 | 約6,670円 | 約20.0万円 |
| 40万円 | 約8,890円 | 約26.7万円 |
※「標準報酬月額」をもとに計算するため、実際の額面と完全には一致しません。あくまで目安です。傷病手当金は非課税です。
もらえる期間:通算で1年6か月
支給期間は「支給開始日から通算して1年6か月」です。2022年1月の改正で、「暦の上で1年6か月」から「実際に支給した日を通算して1年6か月」に変わりました。これにより、途中で復職して給与が出た期間は1年6か月のカウントから除かれ、再び働けなくなったときに残りの期間を使えるようになりました。がんの治療と就労を行き来するようなケースで、より使いやすくなっています。
退職後ももらえる場合がある
一定の条件を満たせば、退職後も継続して傷病手当金を受け取れます。条件は、①退職日までに健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あること、②退職日に傷病手当金を受けている(または受けられる状態である)こと。ただし、退職日に出勤してしまうと「働ける状態」とみなされ継続給付が受けられないことがあるため注意が必要です。






まとめ
- 傷病手当金=病気・ケガで働けず給料が出ないときの、給料の約2/3の補償
- 連続3日の待期のあと、4日目から支給。通算1年6か月まで
- 2022年から「通算」になり、復職→再休業でも残り期間を使える
- 一定条件で退職後も継続給付あり
- 自営業(国保)は原則対象外。その分は生活防衛資金で備える
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※本記事は2026年6月時点の制度をもとにした一般的な解説です。支給額・期間・要件・申請方法は加入する健康保険により異なる場合があります。実際の手続きは勤務先・加入する健康保険でご確認ください。

