前回のリセールが高い車ランキングとは逆に、今回は値下がりが大きい(リセールが低い)車をタイプ別に紹介します。最初にお伝えしたいのは、「リセールが低い=悪い車」ではないということ。多くは需要と人気のバランス(EV・輸入車・セダン人気の低下など)が理由で、車そのものの完成度は高いものばかり。むしろ中古ではグッと割安に買える“狙い目”でもあります。新車で買うなら値下がりを理解したうえで——という視点で、FPねこが正直に解説します。
- EV(電気自動車):バッテリー劣化の不安+中古に補助金が出ず需要が伸びにくい
- 輸入車(欧州車):維持費・故障への不安から中古で敬遠されやすい
- 大型・高級セダン:SUV/ミニバン人気でセダン需要が縮小。高額車ほど下落“額”が大きい
- 生産・販売終了モデル:新車の選択肢がなく相場が下がりやすい
- 過去に値引き販売が大きかったメーカー:新車の実売が安い印象が中古相場にも影響(マツダ車など)
先に結論
- ✕新車で買うなら、これらは数年で大きく値下がりする前提で。手放すときの差額(実質コスト)が大きくなりがち
- ◎買う側にはチャンス。同じ車を数年落ちの中古で割安に手に入れられる“狙い目”でもある
- ◎「値下がりは承知。それでも好きだから乗る」も正解。浪費と自覚して、長く大切に乗るなら満足度は高い
そもそも、なぜ値下がりするの?
リセール(残価率)は、車の良し悪しだけでは決まりません。いちばん効くのは「中古市場での需要と供給」です。欲しい人が多く・タマ数が少なければ高値を保ち、逆に人気が薄く・敬遠する理由がある車は値下がりします。EVのバッテリー不安、輸入車の維持費イメージ、セダン離れ——どれも“車の出来”ではなく市場の都合。だからこそ、「売るときに損したくない人」は避け、「安く良い車に乗りたい人」はむしろ中古で狙う、という賢い使い分けができます。
値下がりが顕著な車(タイプ別)【2026年6月版】
順位ではなく、値下がりしやすい車をタイプ別に紹介します。残価率・新車価格はいずれもおおよその目安です。
-
EV(電気自動車)全般EV

左:写真:Reinhard Müller / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)/右:写真:Alexander-93 / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)💰 参考新車価格:日産リーフ 約370万円〜/テスラ モデル3 約531万円〜 など日産リーフ・テスラ各種をはじめ、EVは全般に値下がりが大きめ。理由は、バッテリー劣化への不安・中古EVには新車のような補助金が出ない・技術革新が速く“型落ち感”が出やすい・メーカーの値下げや改良で新車価格自体が動く、など。結果として中古相場が読みにくく、残価率は低めになりがちです。
🐾 裏を返せば中古はかなり割安。近距離の街乗り用と割り切れば“買い”の選択肢にも -
輸入車(外車)全般 ― とくに高級セダン輸入車


写真左から:写真:Dinkun Chen / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)/写真:Dinkun Chen / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)/写真:Benespit / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)💰 参考新車価格:ベンツEクラス 約900万円〜/BMW5 約900万円〜/アウディA6 約800万円〜 などメルセデス・ベンツ/BMW/アウディなどの輸入車(外車)は全般に値下がりが大きめ。新車は高額でも、維持費や故障への不安から中古で敬遠されやすいのが主因です。とくに大型・高級セダン(Eクラス・5シリーズ・A6など)は、国内のセダン人気低下も重なって下落額が大きくなります。フォルクスワーゲン・ゴルフのような輸入ハッチバックも、同クラスの国産車より値落ちが速い傾向です。
🐾 裏を返せば、数年落ちの上質な輸入車が手頃に。中古で割安に楽しむのが賢い -
国産の大型・高級セダン全般(クラウンを除く)国産セダン


写真左から:写真:ハイパー写真 / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)/写真:Benespit / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)/写真:Benespit / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)💰 参考新車価格:レクサスLS 約1,100万円〜/カムリ・フーガ等は中古中心(当時 約350万〜540万円〜)レクサスLS・日産フーガ・トヨタ カムリ・ホンダ レジェンドなど、クラウン以外の国産大型・高級セダンは全般に値下がりが大きめ。SUV・ミニバン人気でセダンそのものの需要が縮小し、生産・販売を終えたモデルも多いのが理由です。とくに車両価格が高い高級セダンは、下落“額”が大きくなります(例外的にクラウンはブランド力で底堅め)。
🐾 上質な国産セダンが数年落ちで激安に。静かで快適な車を割安に狙える -
日産車 全般(GT-R等の一部を除く)メーカー傾向
写真:Tokumeigakarinoaoshima / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)💰 参考新車価格:(例:日産 スカイライン 約440万円〜)技術力に定評のある日産ですが、かつての大幅値引きや販売構成などから、平均的な残価率はトヨタ車などよりやや低めの傾向。とくにスカイラインやフーガなどの大型セダンは値下がりが大きめです。ただし車種差が大きく、GT-R・フェアレディZ・一部のミニバン等は底堅いものもあります。
🐾 中古は割安なタマが多い。狙う車種を絞れば“買い得”は十分ある -
トヨタ MIRAI(燃料電池車・FCV)FCV(水素)
写真:Tokumeigakarinoaoshima / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)💰 参考新車価格:約726万円〜(新車・税込の目安)水素で走る先進的なセダンですが、水素ステーションが少なく使える地域が限られるため中古需要が小さく、リセールは非常に低いことで知られます。新車は高額なぶん、下落額も大きくなりがち。
🐾 中古は驚くほど安いことも。インフラのある地域で割り切って乗るなら妙味 -
スバル レガシィ アウトバックステーションワゴン
写真:Tokumeigakarinoaoshima / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)💰 参考新車価格:約419万円〜(国内は縮小傾向)悪路にも強い上質なワゴン。ただ国内ではワゴンの需要自体が小さく、SUVに人気が移ったため値落ちはやや大きめです。
🐾 趣味性が高い良車。中古で割安に手に入れて長く乗るのが吉 -
マツダ車 全般(CX-5・MAZDA3 など)メーカー傾向
写真:Mr.choppers / CC BY-SA 3.0(Wikimedia Commons)💰 参考新車価格:車種による(例:CX-5 約290万円〜/MAZDA3 約240万円〜)走り・デザイン・内装の質感に定評があり、“クルマの出来”はむしろ上位。それでも、過去の大幅値引きの名残やブランド・セダン需要の弱さから、トヨタ車などに比べると残価率は低めの傾向です。近年は値引き抑制やブランド向上で改善しつつありますが、依然やや弱め(SUVのCX-5・CX-30は比較的マシ、ロードスターは趣味性で底堅い)。
🐾 中古は“良い車”が割安。走り・質感を重視する人にはむしろ狙い目 -
軽EV(日産 サクラ/三菱 eKクロスEV)軽EV
写真:Tokumeigakarinoaoshima / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)💰 参考新車価格:サクラ 約259万円〜/eKクロスEV 約255万円〜(いずれも補助金適用前)街乗りに便利で人気もある軽EVですが、バッテリー劣化への不安+購入時の補助金が中古では使えないことなどから中古市場の評価が安定せず、ガソリン軽より残価が読みにくく低めになりがち。登場から日が浅く、相場が定まりきっていない面もあります。なお軽は本来リセールが強いジャンルで、N-BOXやハスラー等のガソリン軽はむしろ高残価です。
🐾 中古は割安なことも。近距離の足+自宅で充電できる人なら狙い目
※残価率・新車価格は2026年6月時点の概算の目安で、グレード・年式・色・市場環境により大きく変わります。生産/国内販売を終了したモデルは中古中心で、価格は当時のおおよその新車価格です。最新の価格は各メーカー公式、売却額は複数の買取店・一括査定でご確認ください。車両写真はイメージ(CCライセンス)で、グレード・年式・色が本文と異なる場合があります。
値下がりが大きい車との“賢い付き合い方”
- ① 中古(数年落ち)で買う:いちばんの値下がりを“前のオーナー”が負担済み。割安で良い車に乗れる
- ② 買ったら長く乗る:どうせ値下がりしているなら、売却前提をやめて乗り潰すほど1年あたりのコストは下がる
- ③ 新車で買うなら「浪費」と自覚して:どうしても新車・その車が好きなら、値下がりを承知で愛車として大切に
- ④ EV・輸入車は維持費も確認:バッテリー保証、部品代・整備費まで含めた“総コスト”で判断する
結局どうすればいい?
- ✕売るときの損を抑えたいなら、これらの車は新車購入を慎重に(リセールの高い車を選ぶ)
- ◎安く良い車に乗りたいなら、これらは中古で割安に狙える絶好のターゲット
- ◎新車で選ぶなら「浪費」と納得し、長く大切に乗る。それも立派な選択
値下がりする車は「ダメな車」ではありません。
売るなら不利、買うなら狙い目——立場で評価は逆になります🐾
🐾 車・家計のムダ取りもまとめて
車は家計の中でも大きな固定費。新車・中古どちらで買うか、持ち方を見直すだけで、浮いたお金を貯蓄や投資に回せます。FPねこの記事&無料ツールもどうぞ。

